みっくんが好き。

022：みっくんside ページ24

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乱れた服、涙ぐんだ瞳。



何があったのかはすぐに察した。









ありがとうございましたって

俺の顔を見ないように

その場から去ろうとしたAちゃんを









気づいたら勝手に抱きしめていた。









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あの日、たまたま

久しぶりに馴染みの店に来た。









トイレから出たら








・・・ガッシャーン△×○■！！！








店内に大きく響き渡った音。








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音のした方に行くと





「あーあ・・」





床に散らばった皿の破片たちと









「すみません・・」





それを拾いながら

今にも泣きそうな女の子。









そのあまりにも悲しげな表情に

ほっとけなくなった俺。





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「んしょ・・」



目の前にしゃがみ込んで

皿の破片を拾うのを手伝った。






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大丈夫です・・！って

必死に訴えてくるけど

その目にはいっぱい涙が溜まってて








(そんな顔されたら、

ほっとけるわけねーだろ・・)









結局最後まで手伝ってあげた。









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これが俺と後藤ちゃんの出会い。







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後藤ちゃんっていうのは、

制服に付いてた名札を見て、

勝手に俺がつけたあだ名。









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「あ、」



(今日もいたいた・・！)






あの日以来、


後藤ちゃんのことが

気になって仕方ない俺。






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「すみません・・！」




(ったく・・また怒られてんじゃん)







「今日はなにしたの？」



「き、北山さん・・っ、

　見てたんですか・・」





わかりやすく、

しゅんってする後藤ちゃん。






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失敗ばかりで、すぐ泣きそうになる。




だからほっとけないってのもあるけど、





「ま、頑張れよ」



「はい！ありがとうございます・・！」







ヤル気は人一倍ある！って

店長が言ってる通り、





とにかく一生懸命で、

ひたむきに頑張ってる。





そういう姿が俺を夢中にさせてた。







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なにより、









「いらっしゃいませ！」









にこって、目を細めて笑う瞬間。







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きっと俺は知らないうちに

その笑顔に癒されてたんだ。



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