私とオオカミくん３

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見たことのない宏の姿に

ただただ呆然とする私。









そんな私に



「・・A？」



宏が気づいた。









「・・・・・・っ、」


宏から目を逸らしたまま動けない。









だんだん宏が近づいてきて

そっと私に触れようとした。




その瞬間、

さっきの光景が頭に浮かんで







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――――――――― 怖い。









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「っ、やっ・・」



思わず後ずさりをした私。









ピタッて宏の動きが止まった。









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「・・・だよな」






静かにそうつぶやいて









「ひ、宏・・っ、」



何も言わず、そのまま

その場から去って行った。








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宏を追いかけることもできず

力なくその場にしゃがみ込んだ。




「・・・・・・・っ、」



勝手に涙が出てくる。









「・・・ごめん」


宏に殴られた頬を痛そうにしながら

私に謝ってきた寺井くん。




それさえも意味が分からない。






寺井くんもその場から離れていった。








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何で宏は寺井くんを殴ったの？





何で寺井くんは謝ってきたの？







わからないことが多すぎて

頭が混乱してる。








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ふと、この前の記憶がよみがえった。









もしかして、









寺井くんとのキス・・？









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―――――――――私のせいだ。









私がちゃんと言わなかったから。









だから宏は寺井くんを・・









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なのに私、

宏のこと避けてしまった。









『・・・だよな』


私を見て切なくつぶやいた宏。









「宏っ、ごめん・・っ」








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宏を傷つけてしまうかもしれない。



そう思ってキスされたことを言わなかった私。








それなのに、私のせいで

結局宏を傷つけてしまった。







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昨日、宏に言っていたら。







私からちゃんと伝えていたら。







こんなことにならなかったのに。



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