私とオオカミくん３

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宏とはしばらくLINEが続いたけど

結局、キスされた事実を

言えないままデート当日になってしまった。








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「Aー」


待ち合わせ場所にやってきた宏。





「待った？」


「う、ううん、・・大丈夫」



キスのことを思い出して

宏の顔を見ることができない。







「よし、じゃ行くか」


んって出された手を握った。









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「でさー、その後先生に・・」


最近あった出来事を

嬉しそうに話してくる宏。





「そ、そっか・・！

　それはよかったね・・っ」



宏の話はいつも通りおもしろいし、

自然と笑顔になるはずなのに








私、ちゃんと笑えてるのだろうか。








笑いたくても頭から離れないあの時の記憶。









キスをされた嫌悪感と

それを上回るほどの逃げられなかった罪悪感。




それらに押し潰されそうな心。









今日のデートをずっと楽しみに

今まで頑張ってきたのに。



こんなことになるなんて・・








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手を繋いだまま歩いていた並木道。



ふと、宏が立ち止まった。









「俺ん家行くか」



「えっ・・？」





よしって私を引っ張って

来た道を戻る宏。









「え、ちょっ、宏・・っ」



「今日は家でゆっくりしよ」



「えっ・・」



もしかして・・私を心配して・・？









「宏っ、大丈夫だよ・・っ」



「ん？なにが？」



「私、大丈夫・・っ」



「だからなにがだよ」




もう決めたからいいのって

強引に連れて行く。









昨日まであんなに

行きたいとこたくさんあんだって

教えてくれてたのに。






私の様子がおかしいから

お家デートに変更したんでしょ・・？







なのに、私の様子にはいっさい触れないで。



なんでそんなに優しいの・・？








申し訳なさでいっぱい。



・・・・逆に苦しいよ。









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「はい、どうぞ」


「おじゃまします・・」




結局連れて行かれるがまま

宏の家に入ってしまった。



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