私とオオカミくん３

109：宏side ページ21

.






Aと付き合って１ヶ月が過ぎた。






正直、俺だって男の子だし、

キスだけじゃ我慢できなくなってた。






でも、Aにとっては初めてのこと。








「襲うぞ」


なんてよく口にはしてたけど

そんなの冗談。







キスだけで、顔真っ赤にして

今にも泣きそうな顔になるAを

無理矢理襲うことなんてできなかった。









だから、今日も

チャンスあればいいななんて

心のどっかでは思ってたけど、

そんなつもり全くなくて。







まぁ、正直、

好きな子が隣にいるのに

理性保つのはなかなか大変だったけど。









でも、





俺が見せた写真の中にいた

まいこの存在にAの顔が曇った。






きっと不安になっちゃったんだよな。







『もっと宏のこと知りたい』って

寂しそうにつぶやいたA。








そんなAを見て、








ちゃんと俺のものにしたい。









なんか知らねーけど、

急にそんなことを思った。









言葉だけじゃなくて




お前は俺のものなんだって




はっきり形にしたかった。









.








キスをしているうちに

その思いはどんどん募って、









いつのまにか押し倒してた。









案の定、泣きそうな顔で

俺を見つめてくるA。








でも、こんな状態で

自分を止められるわけもなく、







Aの服の中に手を入れた。




その手を必死に押さえて拒むA。









『・・Aが本気で

　嫌って言うならやめる』





こんな質問するなんて、

自分でも卑怯だと思った。









だってきっと








『・・・や、じゃないっ///』








そう言うと思ってたから。









いつだってAは、

俺の強引な行動にも、顔赤くしながら

必死に応えようとしてくれてた。









そんなAが断るはずない。









・・・俺、ずるいよな。



.

110：宏side→←108

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す