私とオオカミくん３

101 ページ12

.







「A、こっち向いて」




「ん？なに・・？」








ちらって宏の方を向いた。









.









「これからも、

　Aは俺の彼女だから」





「えっ・・？」









「離れんじゃねーぞ？」




「・・・・・・っ」









.








宏のまっすぐな言葉に






私の涙腺は崩壊しちゃって








.









「もー何で泣くんだよ」




「ごめん・・っ、うぅ・・」









ぼろぼろ溢れだして止まらない。









宏がそっと私の頬に触れて

涙を拭ってくれたけど

それでも止まらなくて・・









.









「・・ったく、泣き虫だなー。

　仕方ねーからこれあげる」









宏がポケットから取り出したのは

ラッピングされた小さな袋。









「・・・えっ？」




「ん、あけてみて」









何が入ってるのか

恐る恐る開けてみると









「え、これって・・・」









出てきたのは、今日雑貨屋さんで

一緒に見てたイヤリング。









「Aにつけてほしくて買っちった〜」




「い、いつの間に・・？」




「んふ、内緒〜」









私の反応を見て嬉しそうな宏。









「つけてつけて〜」




「え、ここで・・！？」




「いーじゃん、見たいもん」





はやくはやくってねだってくる。








戸惑いながらも、耳にそっとつけてみた。









「ど、どう・・？」




「うーん・・」




「へ、へんかな・・・」







私を見ながら黙ってる宏。






え、やっぱり似合わない・・？









.









すると突然、




「かわいいーーーーっ！」




いきなりぎゅうって抱き着いてきた。









「ちょ、ちょっと、宏っ・・///」




「買ってよかった〜、んふふ。

　次のデート、それつけて来いよ？」




「う、うん・・っ、つける！///」




「約束だからな」




ぜってーだぞって念を押された。









「うん。ありがとう、宏・・///」




「おう」









宏の優しさが温かくて

また少しだけ泣いちゃった。



.

102→←100

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す