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俺のことを思い出そうとすると
苦しんでしまうA。
Aの親の判断はきっと正しいもの。
「Aのため・・・」
そう何度もつぶやいて自分を納得させる。
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
突然ケータイが鳴った。
会社の上司からだった。
「はい、北山です」
「お疲れさん。明日急に会議が入ったんだけど
お前出られるか・・?」
「あ、ちょっと待ってください。今確認します」
自分のカバンから手帳を取り出した。
「えっと・・明日は・・」
その時
俺の手帳からなにやら紙が落ちてった。
(これって・・・・)
拾い上げたのは一枚のかわいいメモ用紙だった。
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俺が小学生の時。
まだAは幼稚園の年長さん。
俺が外で遊んでたら突然
Aがもじもじしながらやってきた。
『ひろにぃ・・わたしたいものがある・・』
『ん?なに?』
『これあげる・・っ///』
俺に一枚のメモ用紙だけ渡して
そのままぴゅーんって
帰って行っちゃったA。
メモ用紙を開くとそこには
“ひろにぃのおよめさんになりたいです”
最近書けるようになったひらがなで
一生懸命書かれた文字。
ところどころ文字が反転してる。
小学生ながら恥ずかしくなって
誰にも見せずにとっておいたものだった。
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「おい、北山。聞いてるか?」
上司の声にハッとした。
「・・・あ、すみません!明日大丈夫です」
「じゃあよろしくな」
「はい。失礼します」
電話を切ってもう一度
そのメモ用紙を手に取った。
“およめさんになりたい”
『私、すごく幸せ・・っ///』
きっとAは俺からのプロポーズを
ずっと心待ちにしてたんだ。
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「やっぱ・・俺は・・」
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自分ん家に帰る予定だった足を止めて
俺はもう一度病院へ向かった。
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清華(プロフ) - この物語、とても素敵です...機会が有るのなら、続きが見たいです (2020年3月4日 1時) (レス) id: 1c085b2c66 (このIDを非表示/違反報告)
やまみつ(プロフ) - (名前)遥花☆さん» こんにちは^^ コメントありがとうございます! お久しぶりです◎ そうですね…きっとみっくん本人も何事にもまっすぐで強い人間なんだろうと勝手に妄想しております。笑 主人公ちゃんの記憶が早く戻りますように…これからも見守っててくださいね^^ (2015年11月9日 15時) (レス) id: 76f445c12a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)遥花☆(プロフ) - やまみつさん…おはようございます。北山さんのまっ直ぐで一生懸命で、困難に自ら向かって行く勇ましさが、本当の北山さんをそのま描いているようで…切ないけれど…でも凄く人としての器の大きさを感じます☆主人公ちゃん…お願い!ゆっくりでいいから、思い出してね (2015年11月9日 7時) (レス) id: 57b9d054d4 (このIDを非表示/違反報告)
やまみつ(プロフ) - ichigojamujamuさん» こんばんは^^コメントありがとうございます!私も書いていてなんだか悲しくなるときもありますが、これからも更新頑張りますね♪ 応援ありがとうございます!とても力になりました◎今後もよろしくお願いします^^ (2015年10月14日 18時) (レス) id: 42d06ce784 (このIDを非表示/違反報告)
ichigojamujamu(プロフ) - ドキドキしたり切ないお話ですが続き頑張ってください!気になりますので. (2015年10月14日 16時) (レス) id: e49c46559d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまみつ | 作成日時:2015年10月11日 17時