キミとの記憶 × Ｋｉ

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「えっ、えっと・・」



俺の言葉を聞いた瞬間、

Aから笑顔が消えた。







しばらく下を向いて、

うーんって必死に考えてたけど








「・・・・・っ、」



途端に、頭を抱えて苦しみだした。









「A・・っ？」





はぁ、はぁ、って呼吸も

荒くなってくA。







その姿に思わずハッとした。









「あ、いや、ごめん・・っ、

　俺意味わかんねーよな・・！」






「・・・・？」


肩で息をしながら、

涙目で俺を見つめてくるA。









「昨日会ったばっかなのに

　忘れるわけないよな、ごめん！」




フッて笑ってごまかして








「ちょっと飲み物買ってくる」



そう言って病室を出た。









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パタン・・





病室のドアを閉めて深く息を吐いた。









「俺、なにやってんだ・・」









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『俺のこと、覚えてねーの？』






あんなこと聞くなんて、反則。



そう頭ではわかってたのに。







記憶をなくす前と

同じ姿を見せるAに







どうしても我慢できなかった。









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「・・・・・・・っ」








今、目の前に恋人がいる。





でもその恋人は俺の記憶がない。









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苦しい・・









そんなの、








わかってたことだろ・・？









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けど・・









けど、やっぱ・・









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「何で覚えてねーんだよ・・」









寂しくて寂しくて・・たまんない。









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「しっかりしろ、俺・・」






もう一度自分を奮い立たせて

自販機に向かった。




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