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向かったのは病院内の売店。
「んーやっぱねぇかなー」
探しながら店の中をうろうろ。
「あ、あった・・!」
俺が見つけたのはトランプ。
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「お待たせー!」
無事に買えたトランプを手に
病室へ戻った。
「見て見てー」
俺が見せたトランプにきょとんとしてるA。
カードを箱から出して広げた。
「この中から一枚好きなの選んで」
「好きなの・・?」
「うん。どれでもいいよ」
うーんって言いながら
一枚手に取ったA。
「ん。それ俺に見せないように
なんかマーク書いて」
ペンを渡して目をつぶる俺。
「はい・・できました・・」
Aの声に目を開けて
「よし。じゃあこん中に
そのカード戻して」
カードの束を差し出した。
俺の言う通りにカードを入れるA。
「んで、これを混ぜまーす」
そう言いながらカードをきっていく。
Aは何が起こるのか興味津々。
「はい。きれました。
もうカードがどこにいったか
わかんねーよな?」
「うん・・」
「見といてよ。俺の合図で
一番上に上がってくるから」
「えっ・・?」
ほいって指を鳴らして
一番上のカードをめくれば
「えっ!?なんで!?」
星のマーク付きのハートの8。
「んふ、すごいでしょ」
「すごーい!」
俺のマジックに目をきらきらさせて
カードを嬉しそうに持ってるA。
さっきまでの表情は嘘のよう。
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実はこれ
記憶をなくす前
Aが好きだったマジック。
『じゃーん』
『え!?なんで!?』
『何ででしょう』
『うーん・・』
『ちゃんと見とけって
言ったじゃん』
『見てたのにわかんないんだもん』
1回披露してからAがどうしても
そのトリックをあばきたいって
何回もやらされたマジック。
毎回披露するたびに悔しがりつつも
すごいねって喜んでくれる姿が好きだった。
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なんだよ・・
変わってねーんだな・・
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ふふって少し微笑んだA。
「ちゃんと笑えるじゃん」
「えっ・・?」
「笑ってるほうがかわいいよ」
俺の言葉に動揺したのか
恥ずかしそうに下を向いたA。
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清華(プロフ) - この物語、とても素敵です...機会が有るのなら、続きが見たいです (2020年3月4日 1時) (レス) id: 1c085b2c66 (このIDを非表示/違反報告)
やまみつ(プロフ) - (名前)遥花☆さん» こんにちは^^ コメントありがとうございます! お久しぶりです◎ そうですね…きっとみっくん本人も何事にもまっすぐで強い人間なんだろうと勝手に妄想しております。笑 主人公ちゃんの記憶が早く戻りますように…これからも見守っててくださいね^^ (2015年11月9日 15時) (レス) id: 76f445c12a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)遥花☆(プロフ) - やまみつさん…おはようございます。北山さんのまっ直ぐで一生懸命で、困難に自ら向かって行く勇ましさが、本当の北山さんをそのま描いているようで…切ないけれど…でも凄く人としての器の大きさを感じます☆主人公ちゃん…お願い!ゆっくりでいいから、思い出してね (2015年11月9日 7時) (レス) id: 57b9d054d4 (このIDを非表示/違反報告)
やまみつ(プロフ) - ichigojamujamuさん» こんばんは^^コメントありがとうございます!私も書いていてなんだか悲しくなるときもありますが、これからも更新頑張りますね♪ 応援ありがとうございます!とても力になりました◎今後もよろしくお願いします^^ (2015年10月14日 18時) (レス) id: 42d06ce784 (このIDを非表示/違反報告)
ichigojamujamu(プロフ) - ドキドキしたり切ないお話ですが続き頑張ってください!気になりますので. (2015年10月14日 16時) (レス) id: e49c46559d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまみつ | 作成日時:2015年10月11日 17時