緑の瞳と青い瞳2 ページ18
「あんがと、マステラちゃん…」
「いえ、」
マステラはフレイアの隣ではなく、人一人分空けて座った。
二人に沈黙が走る。
「………………」
フレイアはマステラが自分を嫌っている事を何となく感じていた。何故かはさすがに分からなかった。
「………マステラちゃん」
「何ですか?」
「マステラちゃん……私の事嫌い?」
「…………………」
沈黙。
「……そう感じましたか?」
「え?ほ、ほいな…」
「そう………ですか、ごめんなさい」
「ち、違う!私も怒っとるんじゃないんよ!」
「でも、ちょっと…モヤモヤしてたというか…」
「………………………」
マステラは、少し俯いていた顔を上げた。
「嫌い……では無いんです。勿論…ただ」
「…ただ…?」
「……思い出してしまって」
「え?」
「フレイアさんの目、すごく似ているんです…私の…家族に…」
「…」
はっ、とマステラは自分の口を抑えた。
(………疲れすぎてる)
「ごめんなさい、何でも…」
フレイアの方を見ると、目をギュッとつむっていた。
「……フレイアさん?」
「わ、私で思い出しちゃうんやったら!私は目つむっとくから…!あ!見た目も似とるん?!」
「いえ、見た目は全く…」
「ほ、ほいな!じゃあこうしとくんよ!」
フレイアの思いがけない行動に、マステラは思わず笑ってしまった。
「………ふふふ、…ふふ、あはは…」
「マステラちゃん?」
「……やっぱり似てます」
「え!?」
「そういうよく分かんない事する所とか…それと」
「優しい所です」
「…………………」
また沈黙が訪れる。
「目開けて大丈夫ですよ」
「え!?大丈夫…?」
「はい、…なんか…吹っ切れました。」
フレイアは恐る恐る目を開けると、マステラは微笑んでいた。
「マステラちゃん…」
「似てますけど、思い出しちゃうけど…寂しくは無いです。もう。」
「元気が出ます」
マステラは、フレイアに手を差し伸べた。
「ありがとう…フレイアさん、気持ちが全然軽くなりました」
「うん…うん!よかった!」
「あと…ごめんなさい。私…出会った頃辛く当たっていましたよね…酷いことを」
「ううん!全然!それに私分かっとったんよ!」
「分かってた?」
フレイアはにひひ、と笑う。
「マステラちゃんが初めてラグナに来た時、私男の人に掴まれて逃げられんくなってた…そん時助けてくれた!」
「…そ、そんな事を…」
「覚えとるよ勿論!」
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作者名:ちゃまろ。 | 作成日時:2020年3月11日 0時