お坊ちゃまの映画鑑賞 ページ10
私立山風男子高等学校の図書室。
S「なんで翔たちだけ？」
ぶつくさ言いながら櫻井と松本が新刊の本を棚へ並べる。
M「半分持つよ。綺麗な手が荒れちゃう」
S「ありがと// 潤」
A「つーかさ、突然一週間もお休みしてどしたの？」
N「二人一緒に夏風邪？」
二人が休みの間にぐっと日差しの強くなった図書室。ブレザーは椅子にかけられて、白いワイシャツは軽く袖がまくられて。
S「ん〜？映画観に行ってた。」
O「映画なら言ってくれればウチの映画館貸し切りにしてあげたのに。相棒？テルマエ？」
M「終わった〜！雅紀、珈琲淹れて！部長、それならホームシアターあるし(笑)」
S「正しくは映画スターを観に行ってたの。カンヌ。」
A「アイスにする人〜」
N「はぁい。なんで二人で？誘ってよ」
O「ニノ、船ダメ海ダメならカンヌつまらなくない？オイラもアイス！なぁんだ。せっかくあっち行くなら釣りでしょ」
M「だから声かけなかったの(笑)映画、興味ないでしょ。」
A「お待たせ〜ねぇねぇ、もしかしてコレ翔ちゃん？」
カップを机に並べた相葉が、鞄から向こうの写真誌を取り出す。
S「どれ？」
A「コレ。」
セレブファッション特集の１ページ目。有名女優の後ろ、レッドカーペットの上で微笑むアジアンビューティー。
M「あ、写っちゃってる。しまった！翔さんの魅力が全世界に」
N「またアンタ、ドレス着てんの？」
S「ナニそれ〜潤のマミーはデコルテが綺麗ってゆってくれたよ！」
A「やっぱかっこいい人いた？」
S「そりゃあいっぱいいたよ〜翔、映画よりそっちばっかり見ちゃったもん。でも潤が一番かっこいいけど// 」
N「部長、ガムシロは？」
O「サンキュ」
M「おいッ！翔さんの話聞けよ」
N「結局、フランスまで行ってオノロケって」
S「んも〜！ニノにはお土産あげない！」
A「お、ナニナニ？」
M「名物カンヌまんじゅう。一人二個な。」
O「…えっ。オイラ初めて見たけど。まんじゅうって、翔くんセレクト？」
N「つうか、カンヌでそれ探す方が大変じゃないですか？俺んちも別荘あるから何度も行ったけど。」
S「よくわかったね、智君。珍しいでしょ？」
M「俺は止めたよ…」
わあわあとなる机の前で。
A「粒あん？こしあん？緑茶にすれば良かったね〜」
MNO「「「ミスターポジティブ…」」」
風でひらりと写真がめくれる。
今日も図書室は平和です。
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年4月11日 6時
