教育実習生 ページ9
S「う〜ん…本当にアサリいる？」
今日は初等科の潮干狩り遠足。
黙々と砂を掘る櫻井の小さなお尻を
M「しゅきありッ！！」
S「ハウッ！潤〜やめてよ！」
パチャパチャと追いかけっこを始める二人。
N「またでしゅ…あーばたん！ふるい！」
A「はぁい！ニノたん見つけるの上手だね〜」
まだ小さな手には大きすぎるふるいに掘ったアサリを入れて、二人がかりで海水の中で揺すれば大量のアサリが顔を見せる。
「おっ！二宮、大漁だなぁ。先生に少し見せて？」
長身の男性がニコニコと声をかける。
A「桝くん、呼びすてやめて。」
真顔で相葉が振り向く。
N「そうでしゅよ！だいたい桝くん、先生じゃなくて、きょおいくじっしゅーせーじゃん」
「桝くん、て…あ！ほら見てごらん？」
桝が気を取り直して、干潟を指差す。
「ほら、今ピュッと水がでただろ？あの下にアサリがいっぱいいるんだよ？」
S「へぇ〜そうだったんだ！潤、あっち掘ろ」
M「あ、待って、翔たんお帽子！」
また二人でイチャイチャ行ってしまう。
N「…そんなの知ってるし。」
A「そーだよそーだよソースだよ！」
こちらの二人は桝が指差したのとは反対側を掘り出して、桝は苦笑い。
O「わぁ〜見て見てぇ」
黙々と一人熊手を動かしていた大野が、４人に駆け寄る。
S「すごい！青いアサリ？」
「ソレはね、木更津ブルーって種類で…」
N「だからそんなの知ってるし。」
M「あっちでもこみちとアサリ料理してろよ」
O「…嫌い。ちょっとだまってて」
さすがに桝が一歩下がる。
S「ねぇねぇ、智くん、これどこにいたの？」
O「ん〜あっち。いいよ。あげる。オイラまたさがすから」
S「ありがとー！智くんしゅきッ！！」
M「ち、ちょっと！翔たん待ってて！俺もさがすから！」
S「楽しみぃ〜♪」
ウキウキと潮干狩りを続けていると
「できたぞ〜！」
同じく教育実習生のもこみちの声。
A「おいしそ〜！」
味噌汁、酒蒸しにパスタ。
M「オリーブオイル多すぎじゃね？」
S「青いアサリっておいしいのかな？」
…ぽちゃん。
味噌汁に櫻井が手のひらのアサリを落とす。
「あっ！櫻井、それ加熱したら普通の色に…」
N「桝〜はやく言えよ！」
S「わーん！！翔のアサリ〜！」
M「また俺が見つけてあげるから…つうか、俺の翔たんを呼びすてするなッ」
大パニックになる初夏の干潟で、桝は山風の採用試験だけは受験をやめようと決意を新たにしていた。
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年4月11日 6時
