授業参観 ページ13
A「かあちゃん！」
初等科の教室。
ニッコニコのまあ君が大きく手を振ると、後ろで母親が手を振り返す。
「ほら〜授業中だぞ〜」
担任の植草が何度も注意を促すが、まだ小さな生徒たちは日頃忙しい母親が自分の為に来てくれるのが嬉しくてたまらない。
いつもはクールな和君もつい後ろをチラチラ。
すると和君のお母さんがスーツのコサージュをポンポンと叩いて、前髪を触る。
それを見た和君はあわてて前を向いた。
A「和君、どったの？」
N「ブロックサイン。ちゃんと集中しなさいって」
A「へぇ〜なんかカッコいいね」
一方。
S「やっぱり潤のママは綺麗だね〜さすが元モデルさんだね〜ねぇねぇ、エステとか行ってんの？」
M「ん〜一応ねぇ。翔たんのママもお着物素敵だよぉ」
S「アレは外用。家じゃ鬼ババだよ！こないだなんか翔、マウントとられて死ぬかと思った」
ぴーちくぱーちく鳴り止まないお喋りに、植草先生も苦笑い。
そんな中、一人静かに窓の外を見ている大野。
S「…あ。智くんのママ、来れそう？」
O「うん。ちょっと遅れるけど来てくれるって指切りげんまんしたの。」
M「大ちゃんのママもおしゃれだよね〜」
S「そうそう！どんな宝石つけてくるか、翔いつも楽しみだよ？」
O「そ〜お〜？あっ！かあちゃん！」
執事の東山のエスコートで、ゆっくりと教室への階段を上がってくる母親。
オートクチュールの仕立てのいいワンピースに胸元は…
S「うわぁ〜さすが大野財閥の総裁夫人だねぇ〜おっきなブローチ！」
M「うん。外国のパーティーでもあんなおっきなの見たことナイよ。」
O「ありゃ。かあちゃん連れて来ちゃったの」
S「…連れて？」
櫻井が小首を傾げた瞬間
A「うわーっ！動いた！」
M「雅紀(笑)ブローチだよ。んな訳…うわーっ」
N「アゴヒゲトカゲ？和君初めて見た！ねぇねぇ、さわっていい？」
「こら！授業中だぞ〜静かに…っていうかソレなんすか？！」
S「イヤーっ！潤、コワい〜！」
M「翔たん、コッチ。うわうわ来ないで〜！」
すっかり収集がつかなくなった教室に
「だまらっしゃいッ！！」
ひときわ大きく響く櫻井の母の一喝に、ピタリと空気が止まる。
N「え、今の翔ちゃんのママ…？」
M「…ヤバ。」
S「Σ(ﾟДﾟ)」
教室中の集まる視線をものともせず、櫻井の母は優雅に扇子を出しながら上品に微笑む。
「さ。みなさん、お勉強いたしましょ？」
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年4月11日 6時
