緑の星 ページ14
S「潤〜今回は大量だよ〜!」
翔が勢いよく実験室に大きな瓶を抱えて駆け込んでくる。
M「だからドアは静かに…ってそれ一人分?」
いつもポーカーフェイスの潤も目を丸くする。
S「だってずっと泣いてんだもん。しかも笑いながらだよ?変わった人間だよ。」
M「へえ、笑いながら?一人で?」
潤がマグカップを実験台の隅に置いてやると、翔は一気に飲み干して肘をつきながら
S「ううん。狭い部屋でさ、男ばっかし5人!他の4人もなんかニコニコしてた。」
不思議そうに語る翔の話を聞きながら、瓶の中身を顕微鏡で見ていた潤が
M「あ、これ嬉し涙だね。翔も見てごらん。」
手招きすると
M「ね、少し色が違うだろ?この人は十分幸せだからこの涙は星にしなくていいんだ。」
S「そうなの?翔、結構粘ってとったのに」
M「でもね。この涙は他人を幸せにする成分が入っているから、他の星を作る時に少し加えるとパワーが出るんだ。その瓶はラベルを貼って、棚にしまっておいて。」
S「アイアイサー!!」
神妙な顔つきで書いたラベルを丁寧に貼り付けると翔は瓶を薬品棚におさめた。
M「それが終わったら、今日の星の打ち上げの準備。マップは出来てる?」
潤が少し厳しい表情で翔に尋ねる。
星の打ち上げは星職人の仕事の最終過程、ミスの許されない作業だ。
S「はい。チェックお願いします。」
翔も改まった顔で潤に図面のようなものを渡す。
それはこの街を上から見た図面で、今日の月の満ち欠け・天候・星を見せる人間の家の位置・窓の角度などこと細かなデータが書かれ、算出された打ち上げ位置が記されている。
翔は星職人として多少そこつな面はあるが、こうしたデータを計算するのは得意だから、潤はざっとチェックすると
M「じゃあ、出かける準備をしよう」
図面をカバンにしまった。
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*はな*(プロフ) - 今夜も梅雨の夜空……星も月も見えません…。こんな夜、星職人さん達は何をしているんでしょうね…。「は−し−ら−な−い−。」とか言われてるのかな。(^^)かわいい見習い職人さんにまた会いたくて、お話を読みに参りました。 (2014年6月27日 23時) (携帯から) (レス) id: 2a82fe1f9f (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - *はな*さん» そうですね。なんだかんだで見守るニノや丸太の上で固まる翔ちゃん…楽しく想像していただけたらいいな。 (2014年6月25日 20時) (レス) id: 9679011bf3 (このIDを非表示/違反報告)
*はな*(プロフ) - 嵐さんて、ひとりひとりの特徴がはっきりしているので、お話の中の登場人物の表情も思い浮かべやすいですよね。…今日は、相葉さん率高めでお話がより賑やかに♪楽しく読ませていただきました。 (2014年6月25日 20時) (携帯から) (レス) id: 2a82fe1f9f (このIDを非表示/違反報告)
ryou(プロフ) - ゆみさん» 確かにあれはキュートですね♪相葉ちゃんらしさ全開で見るとほっこりしますよね。まるでゆみさんの作品のようですねー(≧▽≦) (2014年6月25日 20時) (レス) id: fca6f438ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ryouさん» 相葉ちゃんのミスドCMがキュートすぎて書いちゃいました~ (2014年6月25日 20時) (レス) id: afc9116f09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆみ
作成日時:2014年2月1日 17時