たなばた ページ28
S「たーなーばーたーばーたばたー♪」
翔さんが歌いながら、製氷皿をひっくり返す。庭の穂紫蘇の花が入った氷は、何回かに分けて水を足しながら凍らすのがコツ。
M「おっ、綺麗に出来たじゃん。ところで、さーらさら♪じゃない？」
俺はその横で包丁仕事。朝煮付けた椎茸に、蒸し鶏、錦糸卵、胡瓜をザクザクと細く刻む。
あ、茗荷も忘れずにと。
S「しっかし七夕って雨多いよなぁ…俺が入社してからもほとんど雨だよ。もういい？」
翔さんが俺の指摘は無視して鍋に真っ白なそうめんをバサッと入れる。
そう言われれば、店の正面玄関の七夕飾りはいつも濡れているイメージがあるような。
M「もう入れちゃってんじゃん(笑)ま、雨だから二人とも定時で上がれたしね。」
刻んだ具に、冷えた麺つゆ(我が家はベーシックな鰹出汁)をテーブルに急いで並べる。
S「どう？」
M「ん、いいんじゃない？」
ジャーッと水で洗ってザルに上げたら、翔さんの力作の紫蘇氷を散らす。ピンクの花が白に映える。
SM「「いただきます」」
大雨でぽっかり出来た二人の時間。
この所クリアランスセールでバタバタだった俺らに神様がくれたんだと思う。
S「ふふ(笑)お前、何言ってんの？」
箸でつまんだ椎茸をぷるぷる震わせて翔さんが笑う。
M「え、何が？」
S「神様がうんぬんってやつ。口に出てたけど。まさかの自覚無しかよ！」
M「あ// 」
S「潤君かわうぃ〜！てな訳でコイツは俺が」
ザルの上にひとすじ入った赤い麺に翔さんが箸を伸ばす。
M「ち、ちょっと待った！それ俺も狙ってたのに！じゃんけん！」
S「うっせーな〜潤はそっちの緑やるよ」
翔さんがアゴで抹茶色のもうひとすじの麺をしゃくる。
M「ヤダ！俺も赤がいい！翔さんが緑にすればイイじゃん」
S「俺、年上だぞ。」
M「でた。そーゆう時ばっか。じゃんけん！」
…
神様、天の川の上から見てますか？
せっかくくれた時間をこんな事に使ってごめんなさい！
でも俺らなんだかんだで楽しい七夕でした。
また来年も雨、よろしくお願いします…
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shopin(プロフ) - はじめまして♪私は (2015年3月30日 10時) (
レス) id: afe33c612b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - ゆみさん、お疲れさまでございました。 もちろんです！他の作品もステキですもん！ すっかりヒモショーラバーですし♪ いつもステキな作品ありがとうございます♪ (2014年12月1日 6時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ヒロ☆ミさん» いつもありがとうございます。全くの私事で、長年勤めた百貨店を退職しまして、しばらく百貨店の事から離れたいのが正直な所で。再開は確実にお約束できませんが、また他の作品でもお会いできたら嬉しいです。 (2014年12月1日 5時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - 12月にはいった今、ここまで読み進めました。オシャレでほっこりでおいしくって。ほんとにだいすきです。山風百貨店が少しお休みということなので、ふたりの出逢いをおさらいしようかと♪ ご無理なさらずにゆみさんのペースでいらしてください。 (2014年12月1日 4時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - みーさん» はじめまして。何度も読み返してくださっているなんて、作者にとって一番嬉しいお言葉です。本当にありがとうございます。 (2014年10月26日 3時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年3月15日 17時
