麻のハンカチーフ ページ25
朝、クローゼットの引き出しを開ける。
ハンカチってボールペンとかと同じで意外と見られてるから、俺はネクタイに合わせて選ぶ。
今日はネクタイがリネンのストライプ柄。
あ、あのイタリアリネンのやつ…
シチリアで買った俺のお気に入り。
アイボリーにブリリアントグリーンのライン。
本当はスーツなんか涼しげに着てみたいけど俺汗かきだし、実際は結構暑いし皺になるしね。
昔のオペラ歌手藤原義江(男性ね)は麻のスーツを着た時は絶対座らなかったんだって。
麻のスーツはその位ダンディズムを持ってないとなかなかね。
でも麻はやっぱり好き。
洗いざらしのごわごわした手触りも夏は気持ちいいし、汗を吸ってもすぐ乾く。
え？百貨店は冷房が効いてるだろうって？
甘い甘い！冷房が入るのは開店直前から閉店まで。事務所もストックも冷房無し！
なんせデパートは窓もないし夏は大変なのよ…
M「翔さん？何してんの？時間！もうスムージー出来てるよ？」
S「おん、今行く。潤、俺のリネンのハンカチ知らねえ？」
M「あー緑の線のヤツ？」
S「ブリリアントグリーンな。」
M「あれ借りた。」
潤がニッコリ笑ってポケットからハンカチを取りだす。
M「だってコレ肌触りが気持ちいいんだもん」
S「だもん…て。あのな、借りていいか聞いてから持っていけよ」
M「…」
潤が一瞬黙りこむ。え？逆ギレ？
S「いや、だから言ってくれたらいつでも…」
M「じゃあちょうだい？」
S「ぱ、ぱーどん？」
M「俺、気に入っちゃったから。コレ、ちょうだい？」
S「し、しょーがねえな。どうぞ。」
あんまりにも無邪気に言い放たれて、思わず差し出すように手を動かしてしまう。
普段は年齢のわりに大人な潤は遠慮がちな所もあるのだけど、ときどきふとこんな風に笑う。
きっと子供の頃は可愛がられてこんな風におねだりしてたのかな。本来の潤がチラリと見えて嬉しくなってしまう。
M「なにヘラヘラしてんの？遅刻するよ！」
潤は踵を返してキッチンに帰る。
あわてて手前の白のハンカチをポケットに入れてからその後を付いて行く。
S「そのハンカチ、俺が使いたい時は？」
M「借りていいか持って行く前に言って。」
ジャイアンか。
にやけながらスムージーをグイッと飲み干す。
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shopin(プロフ) - はじめまして♪私は (2015年3月30日 10時) (
レス) id: afe33c612b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - ゆみさん、お疲れさまでございました。 もちろんです！他の作品もステキですもん！ すっかりヒモショーラバーですし♪ いつもステキな作品ありがとうございます♪ (2014年12月1日 6時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ヒロ☆ミさん» いつもありがとうございます。全くの私事で、長年勤めた百貨店を退職しまして、しばらく百貨店の事から離れたいのが正直な所で。再開は確実にお約束できませんが、また他の作品でもお会いできたら嬉しいです。 (2014年12月1日 5時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - 12月にはいった今、ここまで読み進めました。オシャレでほっこりでおいしくって。ほんとにだいすきです。山風百貨店が少しお休みということなので、ふたりの出逢いをおさらいしようかと♪ ご無理なさらずにゆみさんのペースでいらしてください。 (2014年12月1日 4時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - みーさん» はじめまして。何度も読み返してくださっているなんて、作者にとって一番嬉しいお言葉です。本当にありがとうございます。 (2014年10月26日 3時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年3月15日 17時
