フィトンチッド ページ15
S「ふぃ〜もっと早く替えてれば良かったな」
M「意外とリーズナブルだったねぇ。畳屋さんが減っていくのもわかる気がするね」
畳表を替えたばかりの和室を二人で転がる。
ここへ引っ越してから初めて替えたのだけど、い草の香りが気持ちいい。
大きな掃き出し窓から入った風がリネンのカーテンを大きく揺らして、次に床の間のテッセンの紫の花弁をクルリと揺らす。
S「よし、やりますか！」
パンパンと両頬を叩いて翔さんが庭に出ていく。ここの所母の日で忙しかったからゆっくりしていいよ、と言ったけど
身体を動かした方が気分転換になるからって笑う。
M「あ、待って待って」
急いで俺も庭に下りて、ミニトマトの苗の脇に
S「おぉ〜伸びたな！そっち持って。」
M「OK」
やっと花をつけた苗に支柱を添えて、麻紐で結びつける。
S「コレがトマトにね〜」
M「花がつけば順調のサインみたいよ」
S「楽しみ♪サラダ♪パスタ♪」
次はわき芽をひとつひとつ摘みとる。
ぷち、ぷち、ぷち…
M「なんかさぁ〜わき芽ってせつなくない？」
この間の新入社員の本配属があったから、なんとなくそれがオーバーラップする。
S「あ、そのわき芽。棄てちゃダメだよ。」
俺が無造作にホイホイと投げ捨てたわき芽を
翔さんが拾い上げる。
S「コレね、挿し芽って言って…」
翔さんが木箱に少し入れた土にそれを挿していく。
S「こっちは７月に実がなって」
大きな方の苗を指差し
S「こっちは９月に実を付ける。ちょっとだけゆっくりだけど、ちゃんと実は成るんだよ？」
小さなわき芽を指差して笑う。
M「そっか。９月までかぁ。今年はずいぶんたくさんトマトを食べる事になりそうだね」
S「そうだな〜使い方また調べなきゃ」
M「…フィトンチッド。」
S「？」
M「森林浴とかのアロマの成分。畑仕事もその効果あんのかもね〜」
S「あぁ、電磁波とかにも効果あるらしいね。大葉とかもイイらしいし。」
翔さんが脇の大葉の葉っぱをプチンと取って匂いを嗅ぐ。
M「アッ！意味なく取らないでよ」
S「腹減った。昼めし」
ニコッと大葉を差し出す。
M「ハイハイ。じゃ、トマトよろしくね！」
何枚か大葉を取って、キッチンに入る。
.
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shopin(プロフ) - はじめまして♪私は (2015年3月30日 10時) (
レス) id: afe33c612b (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - ゆみさん、お疲れさまでございました。 もちろんです！他の作品もステキですもん！ すっかりヒモショーラバーですし♪ いつもステキな作品ありがとうございます♪ (2014年12月1日 6時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - ヒロ☆ミさん» いつもありがとうございます。全くの私事で、長年勤めた百貨店を退職しまして、しばらく百貨店の事から離れたいのが正直な所で。再開は確実にお約束できませんが、また他の作品でもお会いできたら嬉しいです。 (2014年12月1日 5時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
ヒロ☆ミ(プロフ) - 12月にはいった今、ここまで読み進めました。オシャレでほっこりでおいしくって。ほんとにだいすきです。山風百貨店が少しお休みということなので、ふたりの出逢いをおさらいしようかと♪ ご無理なさらずにゆみさんのペースでいらしてください。 (2014年12月1日 4時) (レス) id: de579950a8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみ(プロフ) - みーさん» はじめまして。何度も読み返してくださっているなんて、作者にとって一番嬉しいお言葉です。本当にありがとうございます。 (2014年10月26日 3時) (レス) id: 2efc07bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆみ
作成日時：2014年3月15日 17時
