Season

2 ページ39

「お、大ちゃん新作？大ちゃんが作るパンは美味しいからなー！楽しみだよ！」




この人は店長さん、どこに行っても貼られたレッテルのせいで酷い対応を受けてた俺を受け入れてくれて、さらに最近ではパンの新作も任せてくれる優しい人なんだ




「はい、もうすぐバレンタインなんで！」





商品開発、と言いつつ思い浮かんでる顔は１つ、翔ちゃん甘いの大好きだからなー、喜んでくれるといいなあ




「おうおう！顔がデレついてるぞ！どうせまた美人な奥様のこと考えてるんだな！まったく、アッチッチだな！」




店長の発言に顔が真っ赤になるのを感じながら作り終えたのはピンクのハートの形をしたパン、中には翔ちゃんが好きなミルクチョコがたっぷり詰まってる




「ほぉー、ハフハフ！上手いわー！これ採用！！！さすが智君だ！天才だなー！」




ちょっとドヤ顔しちゃう、このパン、これだけだと商品と一緒だから翔ちゃんのだけ特別にラッピングして





渡すのが楽しみだなーってワクワクしながらバイト先から帰る、まだバレンタインの3日前だけど当日限定で売るこのパンを誰よりも早く食べて欲しくて(店長はノーカンな)





急いで帰ったんだけど、なんか挙動不審な翔ちゃんと不自然なほど撒かれた消臭スプレーの匂い、きわめつけは翔ちゃんの可愛い手についた沢山の傷！





「むぅ…別に料理ができないわけじゃないからね！たまたまガトーショコラだけが上手くできないだけだし！」




唇尖らせてプリプリ逆ギレし始める翔ちゃん、ほんと翔ちゃんって可愛いよね、なーんだ、そんなこと気にしてたのか




「ねぇ、翔ちゃんさ、毎朝苦手な早起きしてくれて、美味しいご飯作ってくれてありがとう、俺さ、知ってるよ？翔ちゃんがお料理苦手なこと」





そういうと溢れそうなほど目を見開いて俺の顔を見上げてくるから思わず吹き出しちゃう





「な、なんでバレてたの！？」





そりゃ何回かに一回卵焼きに殻が入ってたら気がつくって、なのに頑張って作ってくれて本当に可愛いって思ってたんだ、負担にならないように夜ご飯は俺が作れるようなバイト先にしたのもそのため





「あのさー、俺翔ちゃんの事翔ちゃんが思ってるより知ってるし、全部含めて愛してるよ？」





俺を堕とすたまに色々嘘を重ねてた翔ちゃんだからたまに素直になれずに隠しちゃうこともあって、それも含めて世界一大好きだって、いつまでも一緒にいて伝え続けたいな

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←bittersweet

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す