君が教えてくれた恋。 3 (ページ24)

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「え…？」

バチっと合う目。

思わぬ近さにドキッとすると同時に、降り注いだ声。

“俺のこと応援してくれる？”って言った…？

久しぶりに話しかけられたことに動揺して、言葉の意味が理解できない。

え、え、とうろたえていたら。

翔「見てて」

翔「あいつに勝つから」

耳元で低く囁いて、そのままサッカーコートの方へ行ってしまった。

櫻井先生の背中を目で追いながら、バクバクうるさい胸を手で押さえる。

なに今の。

見てて、って。

あいつに勝つから…？

あいつ、って…？

女子「Aちゃん何してるの！試合始まるよ！」

クラスの女子が早く早くって呼ぶ声に我に返って、慌てて駆け寄る。

女子「Aちゃんも櫻井先生応援するでしょ？」

「えっ」

女子「完全に女子と男子で応援分かれちゃってるもんね笑」

応援席を見ると、ほんとに面白いくらいに分かれてる。

女子「櫻井せんせーっ、頑張ってー！」

女子たちの黄色い声援に振り返って、はにかみながら手を振る櫻井先生。

爽やかな笑顔。

かっこいい…

なんて見惚れてたら、不意に先生の視線がすっと横にずれた。

「っ、！」

今目合った？

距離もあるし一瞬だったけど、合った気がする。

櫻井先生…

先生が私の応援を求めてるなら、想いを込めて目一杯応援させてください。

祈るように胸の前で両手を握りしめて目を瞑ったら。

笛の合図で試合が始まった。