95 Kazunari side ＊2/5 ページ13
小林から聞いた翔さんの話は予想外のことだった。
最近様子がおかしいのには気づいてたけど、まさかそこまで大きなことを抱えてたとはな…
大丈夫なのかな。
職員室に戻って翔さんの姿を探したけど見つからず。
英語科準備室に行ってみたけどいない。
席に荷物あったしそのうち戻ってくるか、と思って、職員室に戻ろうと廊下を歩いていたら。
和「あ、こんなところに」
理事長室前で突っ立ってる翔さんがいた。
翔「…おう、ニノ」
俺の声に振り向いた翔さんの顔色はとてもいいと言えるものではなかった。
和「呼び出されたの」
理事長室を親指でくいっと指して尋ねる。
翔「や、そうじゃないけど、一応謝んなきゃって。今出てきたとこ」
和「そ…」
謝るって何を謝ったの。
翔さんはどうするつもりなんだ。
和「…ね、翔さん。今日飲み行こ」
翔「え？」
和「最近全然行ってないじゃん」
翔「いやでも、」
和「リフレッシュも必要だよ」
翔「…」
少し迷うような表情で俺を見つめる翔さん。
その瞳をじっと見返したら、ふっ、と困ったように笑って。
翔「ん、そだね、行こう」
和「よし、今日は俺が奢るからさ」
翔「ほんとかよ笑」
和「ふふ、たまにはね」
翔「絶対だぞ？」
和「はいはい」
翔さんの辛そうな顔見てるしかできないなんて、そんなの嫌じゃん？
1個だけだけど俺より年上だからって、いつも兄貴面しちゃって。
こういう時くらいは俺のこと頼ってほしいよね。
アドバイスしてあげられること、あるかもしんないんだからさ。
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作者名：さくらこ | 作成日時：2017年1月26日 20時
