この声に想いを込めて~2nd season~ (ページ13)

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あ、櫻井くんの声、と思う間に、後ろからニョッと現れて。

倉岡くんをキッと睨む櫻井くん。

倉岡「お、おー、お帰り櫻井」

翔「ただいま……じゃなくて、お前、中原に変な話してないよな？」

倉岡「変な話なんかしてないって。ね、中原」

「あ、う、うん」

チラッと櫻井くんを見上げると、パチッと目が合う。

翔「大丈夫だった？」

「うん、大丈夫」

そう答えると、櫻井くんが、良かった、と微笑んだ。

倉岡くんの話してる声が聞こえてたわけではないみたい。

絶妙なタイミングだったからドキッとしたけど。

でも、〈あいつまじで〉の続きは何だったんだろ……。

気になる……。

翔「はい、中原」

櫻井くんに差し出された飲み物。

「あ……ありがとう」

翔「オレンジジュースでよかったかな」

「うん。ありがと」

倉岡「あれ櫻井、俺らの分も買ってきてくれた？」

翔「買ってきたけど、何がいい？って聞いても返信返ってこねぇから、テキトーに選んだぞ」

倉岡「あ、ごめん気づかなかった。中原と話が盛り上がっちゃって」

翔「は？おい、」

倉岡「ごめん嘘嘘！俺、茉奈呼んでくるわ！」

櫻井くんから逃げるように、海の方へ走っていった倉岡くん。

翔「ったく、あいつ、」

櫻井くんは、しょうもねぇなぁ、とため息をついた。