女王蜂に蜂蜜【山口忠】

31.最愛の女神様 ページ31

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「忠！今日一緒に帰ろ！」


部活が終わると、Aが駆け寄ってくる。


「いつも、待っててくれてありがとね」


部活の時間、いつもAは勉強したり、読書したりして俺のことを待っていてくれる。


「忠。私、読モやめることにしたの」

「ええっ？！マジで？」


唐突なAの告白。


「本当は、本格的にモデルやるのに上京しないかって言われてたんだけど…
私はやっぱり、モデルやってる時より忠といる時の方が幸せなの」


信じられない…
そんなチャンスより、俺の傍にいることを選んでくれるの？
俺、Aのことなめてたかもしれない。
俺が思っているよりずっと…


Aは俺のことを好きでいてくれてたんだ…。


「何、ぼーっとしてるの？」


Aが俺の顔を覗き込む。


「あ、いや、別に…。
じゃあこれからいっぱい、デート出来るね」


俺が微笑むと、Aは…
チュ…


「え！！あの…ここ、学校だから！！！！」


さすがにキスは…


「お前ら。校内ではまずいんじゃないか」


影山だ。


「うひょー。ラブラブだ…
見ちゃいけないもの見てしまった……」


日向も…。


「谷地さん真っ赤になって固まってるんですケド」


ツッキーも谷地さんまでも…。


「うるさいな！したくなったからしたの！！
気をきかせてあっち向いてなさいよ！」


「でた女王様！」


「行こう、忠！」


Aは俺の手をとって走り出す。


「ね。今度は、キス以上のこと…してね？」


「え！ええっ！！！」


真っ赤になる俺に、Aは…


「私…初めてだから、痛くしたらブッ飛ばすからね」


そ、そんなぁ…
ってか…
刺激が強いってば！
やっぱり女王様には………かなわないなぁ……。


俺の彼女は、ワガママで強気な女王様。
でも俺にとっては、一途で純粋な可愛い可愛いお姫様。
そして俺に強さと力をくれる、女神様。


----- end -----

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