結婚してください！山口君！［山口］ ページ19
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｢山口くん！結婚してください！｣
そう叫びながら、目の前の机をバンッと叩く。因みに私が叩いた机は、私の大好きな大好きな、山口忠君の机である。
ごめんね、山口君の机さん。山口君の身の回りの物は出来るだけ大切にしないと、とは思っているんだけど。
どうしても想いが溢れちゃって。
さて。勿論、机があるのは普通教室だろう、という事で。
今私が居るのは、山口忠君が所属するクラス、1年4組。
そんな私は1年5組の生徒なので、周りの生徒達から凄い目で見られている。
まあ、他クラスからやってきた女の子が唐突にこんな事言い出したら、誰でも目を奪われるか。私だってこんなヤバいやつ居たら、絶対関わらないようにしようと心に決める。
私達の周りの説明はこの辺にして。目の前の席に座る、私の大大大好きな山口忠君はというと。私の突然の言葉に、目をとても大きく見開いていた。
可愛い。好き。
あ、我慢出来なくなって目ぇ逸らした。そんなとこも好き。少しずつ、頬が赤くなっていって、また確認する様に私を見つめる。そんな少し小動物ぽいとこも大好き。
大好きが、止まらない。
瞳が段々潤んできて、きゅっと口を結んだ彼は死ぬほど困った様な顔で私の事を見上げている。
そんな顔狡い。もっと困らせたいと思ってしまうじゃないか。
いやでも、今日ここに来たのは彼に想いを伝えて、結婚の約束をしてもらう為だ。早まるな、私。
と、今にも食べたくなる様な可愛い顔をしている彼から少し目を背けて。小さく小さく、深呼吸をした。
因みに、彼といつも一緒に居る月島君はこの場には居ない。…いや、敢えて彼が居ない時を選んだ。そうしないと、こんな山口君を困らせる事したら絶対。絶対絶対、追い出される。し、山口君の返事すら聞かせて貰えないだろう。
私にとって、そんな月島君は要注意人物である。
だから私は、彼がお手洗いに立った今この瞬間に。この教室に飛び込んで来たのだった。
十数秒後。彼に再び視線を戻せば。ゆっくりと、彼の右手が彼の頬に触れた。その動作すら、全部愛おしい。てか、なに？頬をかくとか、あざと過ぎません？私の事を殺しに来てますよね？
｢…えっと、…少し考えさせて、貰えるかな？｣
彼は小さな小さな、少し震えた声で。
やっと私に、そう返事をしてくれたのだった。
__ 勝ち確。
そんな私の心の中の叫び声は、勿論彼には聞こえていない。
［終］.
�爛船哭瓩辰童世辰討�ださい！光来君！［星海］→←君がミルクティーを好きだって言うから。４
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作者名：ヒマリ | 作成日時：2020年5月10日 23時
