[34]__ 北side ページ36
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▽ 北side ▽
俺が彼を初めて観たのは、一昨年の秋頃。
何故か宮城での親戚の集まりがあって、俺も婆ちゃんと一緒に宮城まで行った。
ただ、用事も終わり帰るまで何もやる事がない、と思った時に。ばあちゃんから言われたんや。
近くでバレーの試合がありよるから、見てみんか。って。
俺は断る理由が無かったのでばあちゃんと一緒に体育館まで足を運んだ。
そこは、中学生の秋のバレー大会で。
興味無いことは無かったけど、高校と比べると迫力は足りなかった。
ただ、そんな中で見つけたんや。
ずっと光り続ける、彼を。
北川第一中学、背番号3番の子。
彼は、見た時は才能に有り触れた子やと思った。
力は無いけど、それ以外に何か人を惹きつけるような魅力があって。
それが、丁寧さや、ボールのコントロール力だと気付くのに時間は掛からなかった。
でも、その子が光っている様に見えるのはそれだけが理由ではなくて。
北『ずっと、笑っとるな』
婆『そうやねぇ。気持ちいいくらいの笑顔や』
それは多分、俺に足りない物で。きっとこれからも、手に入る事の無いもの。
彼は、その笑顔という武器でチームを凄いくらいに纏めてはった。面倒くさそうなセッターも、彼の一言で落ち着いて。
あぁ、あの子は凄い子やと、初めて観たのに感心させられてしまった。目が離せなかった。
俺は多分ああはなれないけど、それでも。憧れてしまった。彼の様な力に。
女1「Aくーん!頑張ってーー!」
女2「Aくーーん!」
そして直ぐに、彼のファンの子のお陰で彼の名前が分かった。
水宮 A君。
女子からも男子からも人気は凄いらしい。
彼の名を呼ぶ声は止まらへん。
大人気やな、A君。
なんて、眺めていると。
『あら?もしかして、稲荷崎高校の子?』
近くの綺麗なお姉さんから声をかけられた。
てか、何で俺の高校知っとんのやろ。
そう思いつつも、俺は はい、と返事をした。
『わぁーっ、そうよね〜。
あ、そこの北一の3番君が私の息子よ』
北『…えっ』
前の疑問がどうでも良くなるくらい、その言葉に俺は衝撃を受けた。まさか、あの子の母親とは。
婆『今信介もあの子がめっちゃ気になるって言いよったとこなんですよ〜』
母『あらっ、そうなんですか?
じゃあ試合おわったら話してみる?稲荷崎の子なら大歓迎よっ』
でも。俺は、彼女の言葉に頷く事は出来なかった。
(続く)
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キラ(プロフ) - 注意書きがしっかりしてあって、とても大好きです、応援しています (2020年4月17日 18時) (レス) id: 7a70193f7b (このIDを非表示/違反報告)
ヒマリ(プロフ) - 遥凪さん» すみません、書き間違えてましたっ(汗) ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月6日 16時) (レス) id: b8513fb716 (このIDを非表示/違反報告)
姫テャン(プロフ) - すごく面白くて好きです・・・!これからも更新頑張ってください! (2020年4月6日 15時) (レス) id: bc6dcdcbf2 (このIDを非表示/違反報告)
遥凪(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くてすぐに読んでしまいました( *´艸`) あ、それと烏野や白鳥沢は宮崎じゃなくて宮城の高校だと思います!(*¨*) これからも続き楽しみにしてます。頑張ってください^_^ (2020年4月6日 14時) (レス) id: d9229dd11c (このIDを非表示/違反報告)
幸ぴろ - すみませんでした!貶されてると 思うようなコメントをしてしまい… 連続になってしまうのですがどうしても 謝りたくて…本当にごめんなさい! (2020年4月6日 12時) (レス) id: ba2c8d8630 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒマリ | 作成日時:2020年3月16日 17時