sparkling. ページ8
「夏目?」
黙ったまま微々とも動こうとしない幼馴染に声をかける
いつも道理名前を呼んだつもりが言の葉は喉に詰まり若干震えを含んでいた
私の声に反応したのか少しだけ多めに瞬きを行い、そして何故か顔を近づけて来る
あ、やばい
内心ではそう思っていたものの表情に出る事は無く、唯々これから起こるであろう出来事にぎゅうっと身構えていた
夏目の柔軟剤の香りと実験で使用したであろう薬品の香りが混ざりに混ざって独特な香りを生み出す
羽織っている白衣は所々汚れが見え、長年使い込まれた物だと良く解る
なんて、意識を別の所に持って行かないと此方の精神力が削られてしまう
それ程にこの状況は私にとって危険だ
夏目を男の子として見てしまう
意識、してしまう
夏目の唇が私のマスクに触れそうだ、そう、残り数センチ
瞼をゆっくり降ろせば、熱が顔へ集まる
ドクン、ドクン、と普段より早く脈打つ鼓動
そして、
「あああああ!!許さないぞーーー!!!!」
ピシャーン、と大きな音を立て開け放たれた我が部室の扉
音源を確認しようとパッと目を開けば、あと少しでも前に重心をかけた場合、当たってしまう距離にいる自身と夏目に慌てて後方へ後ずさる
が、パシリと腕を掴まれ重心を前に傾けられる
扉へと向けられていた意識を其方へと戻す頃にはもう既に
ちゅ、と小さなリップ音が私の鼓膜を揺らす
マスク越しであったもののそれは今迄に体験した事のない行為
それを認知した瞬間、一気に身体の体温が上昇する
慌てて戦犯である夏目を見ると、妖艶な笑みを浮かべ心底嬉しそうに目を細めていた
「マスク越しなのがもっとボクの欲求を煽るネ」
ふふ、と柔らかな笑みを零しながら夏目は言葉を紡ぐ
「今のでそんなに赤く染まるんだかラ、マスクの無い時なんて如何なっちゃうんだろうナ」
「ネェ、A?」
そう言いながらマスク越しに私の唇をつつく
唇を刺激されるとあのキスの感覚が蘇ってくる
「知るか。…阿呆」
やっと短いながらも反抗の言葉を吐き出せば、夏目は何故か自身の手の甲で口元を押さえる
その顔は先程までの余裕が見えない
赤
え、と目を見開いた瞬間、私の目の前にぴょこんとしたアホ毛が飛び出る
「もー許さないぞ!!お前!ボクのAをとるな!!」
両手を腰に当て、頬を膨らませながら桃色の髪をぴょこぴょことさせている少年
私がよく世話を焼いてしまっている桃李だ
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ああ - 面白いです。頑張ってください! (2018年2月21日 5時) (レス) id: 4f788f756a (このIDを非表示/違反報告)
ろいど軍曹??稲妻に貫かれた(プロフ) - よよみ??そーちゃんに心臓を奪われたさん» コメントありがとうございます。夏目くんへの愛情が溢れ出てきてしまい、このような拙い小説を書かせていただいています…。これからもよろしくお願いします…! (2017年2月21日 19時) (レス) id: d3d55130b6 (このIDを非表示/違反報告)
よよみ??そーちゃんに心臓を奪われた(プロフ) - ろいど軍曹最高でございます。夏目やばいよw続きが読みたい!(^o^三^o^) (2017年2月19日 9時) (レス) id: e2a8f81aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ろいど軍曹 | 作者ホームページ:http://uranaitukuru
作成日時:2016年12月18日 21時