一欠片の愛をPart2【五条悟】

漆拾壱 ページ24

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家に帰って寝転がって伊地知さんの言葉を思い出していた。さすがにこれ以上任務は危ないよな、と冷静に考える。



何かあった時、私だけが酷い目に合うならば構わないけど今はお腹の中の子が第一だから。雑魚呪霊相手とは言えども普通の妊婦さんより体を動かしているのは紛れもない事実だ。そのせいでもし何かあったら死んでも死にきれない。



任務を辞めるなら早めにした方がいいよね。高専も辞めなきゃいけない。



伝えるなら早い方がいいし、高専を辞めることは明日にでも学長に伝えようと思いながら眠りについた。






『高専を退職させていただきたいです』



「ほう。何故だ？」



翌日の朝久しぶりの高専に着き、教務室に行く前に学長の元に向かって、学長に伝えた。学長は思っていたよりも驚いた様子はなく、勘付いていたのかなと思う。



『一度呪いとかそういうのから離れてゆっくりしたいなと思ったんです。呪術師をやめて普通の人になりたいんです』



「…そうか。分かった。俺が何を言おうともう意思は決まっているようだしな。無理に呪術師に戻れとは言わんが、その子を産んだら抱かせてくれよ」



『……やっぱりバレてましたか』



「当たり前だ。体を大事にするんだぞ」



『ありがとうございます。今日中に荷物をまとめておくので。これまで本当にお世話になりました』





言い残して学長の元を後にしてそのまま教務室に足を進めた。流石のあの人でも私が妊娠していることには気が付くだろうし、五条先生には会いたくないなと思うと少し足取りが重くなった。



でも心のどこかでもう会うのは最後だろうし一目見ておきたいと思う私もいて、私はつくづく五条先生の事を好きなのだなと再度思い知らされて報われなさに胸が痛んだ。




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