一欠片の愛をPart2【五条悟】

陸拾肆 ページ17

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『……あなたが、やったんですか』


「まさか！私じゃないわよ。ただ私が命令した男がやっただけ」


『…っ、解除方法は何ですか』


「そんなの教えるわけないでしょう？醜い上に頭も弱いなんて目も当てられない。あんたは悟とは釣り合わない、さっさと消えてよ」




襟元を掴んだまま、しかし口から勝手に出てくる言葉は思っていたよりも静かな口調だった。


五条先生と私が釣り合わない、そんなの私が一番よく分かってる。それでも彼の隣にいたかっただけなのに、それすらも許されないの…？



『どうして、こんなこと…っ！！』



「私が悟と結婚するにはあんたが邪魔だからよ。悟も言ってたわよ？あんたのこと邪魔だって」





止まったはずの涙がぽろりと零れた。




「泣いたってダメよ。可哀想、本当に哀れね。今どんな気持ち？」



『…っ』




目の前の女が憎くて堪らなくて、抑えが効かず手を振りあげてしまった。


してはダメだと頭では理解していたが感情が追いつかず女の頬を平手打ちしてしまいパチンと乾いた音が辺りに響く。





「…おい、何してんの」




後ろをふりむけば無表情の五条先生が立っていて、通りすがりざまに私を見下ろしたあと相澤さんの手を引いて離れて行ってしまった。





平手打ちをしたことによりジンジンと痛む手のひらを擦りながら、ふらふらと教務室に戻った。





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