ねーちゃんが三人 ページ7
＿「ああー……」
ねーちゃんの後に風呂に入ったのが間違いだった。
同じシャンプーのはずなのに、明確に残った、ねーちゃんの残り香。
菓子みてぇな甘い、匂い。
って、俺は変態かよ。
急いで理性を取り戻し、意を決して風呂に入る。
「っあッ」
ねーちゃんは熱い風呂が好きだから、煩悩なんて吹き飛んじまう。
シャワーを冷たくして湯船に投入、そして、入る。
ぬるいのに、熱い。
「……」
ねーちゃん、結婚かぁ。
きっとドレスも着物も、ねーちゃんならどんな花嫁モデルより綺麗に着こなすに決まってる。
……ぬるいから、肩までつかる。 ぬるいから。
なんとなく、ねーちゃんは待っててくれると思ってた。
ねーちゃんが俺らのこと大好きなのは伝わるし、俺らがねーちゃんのこと大好きなのも伝わってっと思う。 それでも。
「……でよ」
ダメだ。 考えすぎは性にあわない。
適当に身体を拭き、部屋に戻ると三人揃ってわちゃわちゃしてる。
スマホを取り上げると、ねーちゃんの写真。
「一郎！」
「消したよ」
ねーちゃんにひっさびさに嘘ついた。
家族グループのチャットに共有し、後で保存せねばという使命感。
「あ、ねえさん。 今日は僕の部屋で寝てください」
布団に掃除機と乾燥機をかけてるとは思ったが、そのためだったようだ。
わかったー、とふわっとした返事をするねーちゃん。
「一郎座って、髪乾かしたげる」
「まだねーちゃんのが乾ききってないじゃん」
ねーちゃん専用の白いタオルで髪を拭いてやる。
もしかしたらウエディングドレスのヴェールって、こんな感じなんじゃ……。
「きゃー、いちろー！」
ねーちゃん、楽しそう。
三郎は風呂に行き、二郎がねーちゃんの髪を櫛で整えてる。
その間に俺はねーちゃんに乾かされる。
「一郎のくせっ毛は相変わらずだねー」
「そうか？」
「うん、好き」
ねーちゃんに好きって言われると、すっげぇ心地いい。
「姉ちゃんのふたつ縛り、可愛い」
「えー、二郎のが可愛いよ。 あ、そうだ一郎、後で皆で写真とろー」
「んー」
ねーちゃんの頼みなら、なんでも許す。
終わったよ、と覗き込んだその唇はぷるぷるで、もしキスしたらどんな反応をするのだろうと考える。
「ねーちゃん」
「んー？」
ねーちゃんは無防備だ。
俺のシャツに包まれたねーちゃんは、甘い匂いで誘惑してくる。
「はぁー……」
「一郎？」
よく三郎一緒に寝れるな、なんて思いつつ、ねーちゃんは首を傾げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 788人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おりはるこん（改名）(プロフ) - ミーさん» コメ返し遅れて申し訳ないです！最近やることが多いので更新事態の優先順位が低くなってるのがすごく悔しくて…。終わりは決まってるので着いてきていただけると嬉しいです！ (2018年11月29日 20時) (
レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 最近読み始めたので、更新とても嬉しいです…!これからも頑張ってください！ (2018年11月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん（改名）(プロフ) - ぬぬぬさん» ここだと文字数が足りないのでボードかメッセージに移行してもよろしいでしょうか？私の考察は250文字以上になってしまいそうなので…(汗) (2018年9月15日 18時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ペンは剣よりヒプノシスマイクってどういう意味だと思いますか？？？調べても全然分からなくて… (2018年9月15日 17時) (レス) id: 62aeac2e51 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん（改名）(プロフ) - ぬぬぬさん» わかりみが深い…！久々にヒプマイを誰かと語れてスッキリしました！ぽっせもわかります！ヒプマイ沼は深いですね…！ (2018年9月15日 17時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おりはるこん(元鈴音)
| 作者ホームページ：なし
作成日時：2018年8月26日 8時
