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姉ちゃんが二十二人 ページ26

「あ、姉ちゃん。 兄ちゃんは?」

「ちょっと寝ぼけてたけど、もう起きると思うよ」


 姉ちゃんは遅くまで起きていたはずなのに、ピンピンしている。
 今日は家に帰るらしく、煮込み料理を作ってくれた。
 味噌汁を作った鍋を混ぜながら、時折はぁ、とため息を吐く姿に胸が痛む。


「駅まで迎えに来てくれるみたいなの。 ……そんなの、いいのに」


 随分とその男は過保護らしい。
 その薬指に指輪はない。
 ここまではっきり嫌われてると、さすがに同情さえ覚える。


「駅までは送るよ」

「ほんと? じゃあ、おねがい」


 姉ちゃんの顔がぱあっと明るくなる。
 あ゙あ゙あ゙あ゙、ん゙がわ゙い゙い゙ぃ゙……。
 やっぱ姉ちゃんが来た時は早起きに限る。

 三郎も兄ちゃんも揃い、朝飯だ。
 目玉焼きうめぇ。


「あ、夜ご飯作っといたから、適当にあっためて食べてね」

「おう」


 ある程度の着替えなんかはこの家に置いてあるので、荷物は少ない。
 十時頃集合とのことなので、少しゆっくりできる。

 片付けが終わり、テレビを見ていたが、姉ちゃんは一人椅子に座り、またため息。
 どうやら指輪をはめようとしているらしい。

「姉ちゃん」

「ん、なぁに?」


 高そうな箱に入った、これまた高そうな指輪がキラキラと輝いてる。
 向いに座ると、姉ちゃんはこてんと首を傾げる。


「婚約指輪?」

「うん。 綺麗だよねー」


 完全に他人事だ。
 昔からアクセサリー類には興味を示さなかったし、俺らもそれを知ってて装飾品の類いは贈ったことはなかった。
 俺らの缶バッチの色と揃いの髪飾りは付けているが。 婚約者ざまァ。

 姉ちゃんは意を決したように深呼吸し、指輪を箱に閉まった。
 時計を一瞥し、俺ににっこりと笑いかける。


「じゃ、行こっか」


 もちろん兄ちゃんも三郎も着いてくる。

お姉さんが二十三人→←ねーちゃんが二十一人



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おりはるこん(改名)(プロフ) - ミーさん» コメ返し遅れて申し訳ないです!最近やることが多いので更新事態の優先順位が低くなってるのがすごく悔しくて…。終わりは決まってるので着いてきていただけると嬉しいです! (2018年11月29日 20時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ミー(プロフ) - 最近読み始めたので、更新とても嬉しいです…!これからも頑張ってください! (2018年11月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 750b1e0df3 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん(改名)(プロフ) - ぬぬぬさん» ここだと文字数が足りないのでボードかメッセージに移行してもよろしいでしょうか?私の考察は250文字以上になってしまいそうなので…(汗) (2018年9月15日 18時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)
ぬぬぬ(プロフ) - ペンは剣よりヒプノシスマイクってどういう意味だと思いますか???調べても全然分からなくて… (2018年9月15日 17時) (レス) id: 62aeac2e51 (このIDを非表示/違反報告)
おりはるこん(改名)(プロフ) - ぬぬぬさん» わかりみが深い…!久々にヒプマイを誰かと語れてスッキリしました!ぽっせもわかります!ヒプマイ沼は深いですね…! (2018年9月15日 17時) (レス) id: ea4c86eaca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おりはるこん(元鈴音) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年8月26日 8時

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