甘い乾き

# 甘い乾き ページ15

お風呂で1回、
ベッドでもう1回。



付き合った時から2ラウンドは当たり前で
何ならやまとはもう1回、と誘うけど
体力も気力も奪われたあたしは2回が限界だった。



でも1ヶ月振りぐらいの今日は、1回でもうヘトヘト。
お風呂なんてやまとの癖が充分に満たされる場所だから
気分が最高潮だったんだろうな。



『大丈夫？ちょっと激しくしすぎた？笑』



下だけ履いた彼が水を持ってきてくれる。
あたしも終わってすぐ下着とロンＴは着たけど
動く気力は本当にこれっぽっちもない。



｢明日腰痛くなるわ｣


『俺まだいけるけどね』


｢……バケモンじゃん｣


『バケモン言うな』



少し後ろからベッドに入ってきたやまとに優しく抱き寄せられる。



そのまま背もたれに使わせてもらって、彼の飲みかけの水を飲んだ。



『可愛かったなあ…さっきのA思い出したら
俺何倍も仕事できるわ』


｢思い出すな。いつもは可愛くないみたいな言い方すな｣


『ねぇーそういう意味じゃないじゃん笑』



耳元でクスクス笑ってる。
やまとの笑顔は綺麗だ。
彼の笑顔は、どこにも歪な箇所はない。



｢あー…｣


『なに？どしたの？』


｢水こぼれちゃった｣


『どこ？』



首元を指せば、這った暖かい舌。
ついでに強く吸われて紅い花が咲く。
愛されてる。
そんなことは、分かってる。



ただこの日々が…
もし結婚しても、あるいは別れるまで一生続くなら。
あたしは何も出来ない女のままでいいのだろうか。



きっともう既に、今の社会にはついていけないのに。

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