君と見たあの空を (ページ32)

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結局、誘惑に負けて只今映画鑑賞中。

美味しい紅茶を飲みながらずっと見たかった映画を見るなんていう

随分と優雅で贅沢な時間。

しかも隣にはあの佐野玲於くん。

手を伸ばせば届くその距離に

ファンの子だったら死んじゃうじゃないだろうか？

なんて考えていたのも最初だけで

後半はずっと映画に集中。

途中、感動して泣いてからエンドロールまでずっと溢れ出す涙を止められなくて

そんな私に笑いながら持ってきてくれたフェイスタオル。

それに顔を押しつけて涙を抑える。

正直少し重たい話ではあったけれど

映像の撮り方も心情の表現の仕方も好みだったし

何よりそのストーリーは涙なしには見る事ができなかった。

あぁいい映画だった。

久しぶりに見た映画に大きな満足感を得る事ができてとてもいい時間だった。

「Aさん泣きすぎ」

そう言って笑ってる玲於くんだって泣いてた事知ってるんだから。

『玲於くんも泣いてたじゃない』

そう反論すれば知らないなぁなんて惚けたフリ。

そして始まった泣いていたか泣いていないかの不毛な言い争いは

「まぁどっちでもいっか」なんてグズグズの展開を迎えた。

このシーンが良かっただとか、あの台詞がグッときただとかそんな映画の感想を言い合って

お互いに印象的だったシーンを何回も見直して、気がつけば随分と時間が経っているようだった。