君と見たあの空を (ページ27)

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「取り敢えず朝ご飯食べましょうか、まぁもう昼だけど」

そう言った彼に促されて椅子に座って用意してくれた料理に手をつける

「すみません、たまご焦げちゃって、、」

目玉焼きを食べる私に申し訳なさそうにいう佐野さん

『全然、すごく美味しいです』

確かに少しだけ焦げてはいるけれど

久しぶりに誰かと一緒に食べる温かいご飯は本当に凄く美味しかった

ご飯を食べている間、昨日公園で寝こけていた私を見つけ

どれだけ呼んでも眠り続ける私を放置する事もできず家に連れてきた事。

朝に一度起こしたけど今日がオフだという事を寝ぼけながら伝え結局起きなかった事など

此処に至るまでの経緯をそれぞれ事細かく

こっちが恥ずかしくて耳を塞ぎたくなるほどそれはそれは細かく教えてくれた佐野さん。

『……佐野さんって絶対Sですよね！？』

聴き終わった直後に出たのは謝罪でも感謝でも無くそんな言葉だった。

私がもうそれ以上言うのはやめて欲しいとお願いしているのに

したり顔で続けるその姿は完全に悪戯っ子のソレだった。

「そんな事ないと思うけど？」

分からないとでも言うように小首を傾げる佐野さん。

完敗だ。

『とにかく、本当にご迷惑をおかけしてすみませんでした。』

今はどうでも良い雑談は放棄して本題に入る。

ペコリと頭を下げて謝るけれど

こんな謝罪だけでは済まされないくらい多大な迷惑をかけた事なんてわかっている

先日の件も併せて何かお礼ができないかと思案していれば

「宮さん今どうやってこのお礼しようか考えてるでしょ？」

と考えを読み取ったように聞いてきた佐野さん

なぜ分かったのか？そう訊こうとした気持ちを抑え

そんな事はどうでも良いかと思い直し彼の言葉にゆっくりと頷いた。