君と見たあの空を (ページ21)

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「、、ん、、っ、、宮さん！」

微睡んだ意識の中、遠くの方で名前を呼ぶ声がして目を開いた。

ぼんやりと輪郭が浮かび上がった目の前の人はなんだか佐野さんに似ている。

後ろから街灯に照らされて暗くなった顔を覗き込ませて私を見る彼に思わず眉を寄せた。

ぼんやりとした輪郭が段々と鮮明になって見えてくる顔。

『なんで？』

なんで佐野さん？

私が彼を無意識のうちに考えすぎていたのだろうか？

夢なんてほとんど見ないくせにまさか佐野さんが出てくるとは。

閉じそうになるまぶたをうっすらと開けかろうじて佐野さんの顔を見つめていれば

「こんな所で何してたんですか？』

なんて聞かれる。

こんなところ？

あぁ、ここはいつもの公園だ。

『ほしを……』

「星？」

『そう、ほしをみてたんです』

指を指して示せば佐野さんの顔もそれに倣って天を仰ぐ。

目を凝らして、少しだけ不思議そうな顔をした彼に続ける。

『ここの星はね、

ビルや街灯に邪魔されちゃってほとんど見えないんだけど

それでも目を凝らせばちゃんとそこにいるでしょう？

こんな場所からは誰も見ないかもしれない。でもそれでも光り続けて

どんな場所でもその姿を見とめる事ができる星を見てるとねなんだか

、、なんだか、元気が出てくるんです』

ふわふわとした意識の中で理由を教えてみる

思えば人に星の話をするなんて初めてかもしれない。

優しい佐野さんの横顔に何故だかひどく安心してまぶたに重くかかる重力に身を任せた。