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高校時代は
毎朝、母の手作り弁当を持っていた私にとって
初めての学食は
気持ちを大きく高ぶらさせた。
…とは言いつつも、
何を頼んだらいいのか迷ってしまい、
とりあえず、アイスコーヒーを注文した。
私も大人デビューしなくちゃって思って
なんてかっこつけて頼んでみたはいいものの、
苦くて、半分も飲めずにいた。
私は、さっき配られた大量のプリントを
仕分けしたくて、
机の上に雑に置く。
そして、種類別にわけ
ファイリングしようとしたとき、
まだ半分以上残って残っていた
アイスコーヒーに手が触れ
そのままこぼしてしまう。
運が悪いことに、
せっかく仕分けた数枚のプリントが汚れてしまった、
だけではなかった。
隣に座っていた男性にも
かかってしまったみたい。
私は持っていたポケットティッシュ、
ウェットティッシュ、とにかく全てだして
半分をその男性に渡し、必死にふいた。
私は、その男性に謝ろうと顔を上げたが、
どこかに歩いていってしまった。
怒らせちゃったかな、
同じ学部だったらどうしよう、と
募る不安と、
服にしみていくコーヒーの汚れ。
焦ったとき、
頭が真っ白になるっていうけど
本当にそうなんだ…
と感動している場合ではない。
とりあえず使いきったティッシュを片付ける。
周りの冷たい視線は
逆に私をあつくさせ、焦らせる。
そのとき、
さっきの男性が戻ってくるのが
視界に入った。
その片手にはふきんが2枚。
「俺、下拭くんで
服拭いてください。」
低い、でもハスキーな声。
紫耀さんみたい。
でも違う。
「すみません。ありがとうございます、」
お互い目を合わせないまま、
やや気まずい時間が流れた。
「大丈夫ですか？」
「はい、ほんとありがとうございます、」
「いえ、じゃこれ返してきますね」
その語尾と重なるように顔を上げる。
「「 えー！？ 」」
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嶺花(プロフ) - 涼杜兄妹さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです！これからも涼杜兄妹様の毎日を少しでも彩れるような作品を更新できるようにがんばります。引き続き、花ことばをよろしくお願いいたします。 (2021年3月2日 6時) (
レス) id: 0b548f27c5 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - お待ちしておりましたー！！楽しみにしております！ (2021年3月1日 22時) (レス) id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年3月1日 21時
