5月 ページ9
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ミモザ
「秘密の恋」
それから月に何度か
紫耀さんの元に訪れるようになった。
週末ならだいたいいるよ、
って言っていたから
行くと決めたその週は
毎回幸せなくらいにドキドキしていた。
放課後に通っていたカフェで
紫耀さんに会うことはなかなかないけど、
あの日の紫耀さんみたいに
店員さんへの声かけは
変わらずにしている。
気づけば意識してしまっている
紫耀さんの存在に
まだ、恋だとわからないまま
必死に色づけた自分という花の種に
名前をつけようとしている。
紫耀さんに会いに行く日は
朝顔が咲くよりも
早い時間に目覚めてしまう。
いつもお店を出るときには
もう帰っちゃうの？、と
子犬のような顔で見つめてくる
紫耀さんを思い浮かべながら
お洒落をしていると、
いつかは、
まだ帰りたくない、と言って
困らせてしまうかもしれないなと
ちょっとだけ不安になる。
だけど、
また今度って約束を結べなくなるのは
嫌だから、
そんな口約束を繰り返すようにしていた。
ある日曜日、
私は紫耀さんに会いに行くために
準備をしていた。
前の日、土砂降りだったから
心配してたけど、
見上げれば
大きすぎる青空が
私を見守ってくれているみたいで
心も快晴になった。
鼻歌交じりで準備を済ませ
新しく買った靴を履く。
今日初めて履くけど、
もうすでにお気に入りってくらい
いいとこに連れて行ってくれそうな
素敵な足を音を奏でてくれる。
るんるん気分でいつもの道を歩き、
時々ある水たまりを見かけては
覗いてしまう。
そこに空に浮かぶ虹が
映し出されているときだってあった。
紫耀さんに会いに行く日は、
そんな何気ないことすら幸せで
心躍る時間だと感じる。
この気持ちの種は
いつまかれたものなんだろうね。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
