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緊張したまま、
案内してくれる紫耀さんの背中に
そっとついていく。
冗談らしいけど、
緊張するって言ってくれたことが嬉しくて
自分の胸のドキドキにも慣れてしまった。
これやっと咲いたんだ〜とか、
これ僕が一番最初にお世話した花だ！とか、
探検する子どもみたいに
無邪気にはしゃぐ紫耀さん。
その笑顔は、
周りに咲いている花よりも
いっそうきれいに見えた。
でもやっぱり
緊張を思い出して
時々立ち止まってしまっていると
冷えていく指先を
紫耀さんの大きくて温かい手が包んで、
ぎゅっと握ってくれる。
緊張だって半分こしちゃえば
大丈夫だよって言ってくれているような
ふんわりした雰囲気が
私のことも包もうとしてくれている。
繋がれた手に身を委ねて、
たくさんのお話を聞いていると
ネガティブな花言葉も
聞こえてくる。
例えば、裏切り、復讐、とか。
でも、そんな言葉すらも
紫耀さんが話せば
悪い仮面が外れた内側の微笑みが
垣間見えるようだった。
「平野さん、これって？」
紫「紫耀でいいよ笑」
「じゃあ、紫耀さんで、」
紫「なんか恥ずかしい〜
で、どうしたの？Aちゃん」
「あ、このお花の花言葉って何ですか？」
紫「鈴蘭ね！すごいかわいい形だよね
花言葉は、純粋だよ
なんか似合うね、Aちゃんに」
「そうですか？、」
紫「Aちゃん、
こういう凛とした花、似合うと思う」
「ありがとうございます、紫耀さん」
名前を呼ばれるたびに
照れてしまって、
視線を反らしてしまう私を
いじっているように
わざと名前を繰り返し呼んでくる。
仕返しに、と思って
私も名前を呼ぶと
私以上に頬を赤く染める紫耀さん。
ちょうどそのとき
まだ繋がれていた手に気づいて
紫「わっごめんね、
つい俺のほうが楽しくなっちゃって」
そのぬくもりから解き放たれた。
「大丈夫ですよ！
たくさん教えてくださって
ありがとうございました。
あと、鈴蘭ください、」
紫「よかった〜
かしこまりました！
今包むね」
私は、
純白でくるっと上を向く花びらが
ウエディングドレスみたいな鈴蘭を
紫耀さんから受け取って
また来ますね、と
今度は勝手じゃない約束をかわして
店をあとにした。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
