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「紫耀さん、」
紫「お！Aちゃん
この間はごめんね、」
「いえ、大丈夫です。
あの、実は伝えたいことがあって、」
紫「どうしたの？そんなに改まって、」
もうここには来れない、
それを言うための理由を探したはずなのに
出てきた言葉は
「……ずっと好きでした、」
だった。
困らせるって分かってた、
辛そうな顔をするだろうと悟っていた。
だから、紫耀さんが何かを言おうとする前に
「……それだけ伝えたくて。
だからこれ、
受け取ってください、」
震える両手で差し出した紙袋を
紫耀さんは両手ごと包んでくれた。
その瞳には、
ダイヤモンドのような一筋の光が
浮かんでいる。
「紫耀さん、幸せになってくださいね、」
それと同時に頬を伝った紫耀さんと私の涙は
互いに反射し合い、
拭われることのないまま
ポタリ、とおちた。
言葉に詰まる紫耀さんは
私が渡した紙袋の中を見ると
もう涙を落とさないように上を見上げた。
紫「Aちゃん、
ほんっとにありがとう」
そう私の頭を撫でる手の
最後のぬくもりを
いっぱい抱きしめる。
紫「Aちゃんのこと
ずっと忘れないからね。」
「私も、」
紫「受験頑張ってね、応援してる」
「絶対合格しますね」
紫「Aちゃんなら大丈夫」
「はい、ありがとうございます、
じゃあ私、そろそろ行きますね」
紫「そっか、わかった
気をつけてかえってね」
「ありがとうございます
そして、ありがとうございました」
紫「こちらこそ、
またね」
最後に合わせた手のひらは
ぴったりと重なり、
花びらがおちるように
一瞬で離れた。
素敵な明日を。
そんな言葉を最後に
私は店を出た。
紫「Aちゃん！」
呼び止められたことで
止まった足。
この瞬間だけ
全てがスローモーションになってよ。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
