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紫「幸せになってね」
すぐに届いた言葉に
私は、紫耀さんが好きと言ってくれた笑顔で返す。
紫「そうその顔！
またね！」
決してさようならを言わないのは
私だけではなかった。
少なくとも私は、
またいつかどこかで出逢うことを
願っていたから。
そしたら言ってやるんだ、
私はとっても幸せですって。
そしたら紫耀さんも笑ってね。
家に帰って、
窓際に並べてあった花をみる。
カラーなのにモノクロに見えるのは
きっと今だけだろう。
隙間から入ってくる風は
確かに秋の香りがする。
その冷たさは
紫耀さんのあったかさを恋しくさせる。
忘れないでって言われたけど
いつか忘れなきゃいけないはず。
でももう少しだけ
好きでいたい。
痛いけど、いたいんだ。
私は、視界に入った線香花火を手にとり、
庭に出る。
本当は一緒にやりたかったな。
叶わぬ願いは儚くて切ない。
そして、揺れる炎に灯すと
突然光った眩しい光が
私の頬を照らす。
もう泣かないと決めたはずが
溢れ出た涙が
火球を燃やす。
最後まで美しく咲きながらも
花弁をひとひらずつ落としていく
菊の花のような一瞬。
紫耀さんは、
夏が好きと言っていたけれど
そこに咲ける夏の花にはなりきれず
私の物語は、
あとがきへの助走を辿ってしまうのかな。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
