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「……畏まりました。」
店の奥から、
私の心臓に強く触れる
声が聞こえてきた。
その声に紫耀さんだということに気づき、
私はすぐに、
声がする店の奥に足を運ぶ。
紫「ご来店お待ちしておりますね。
素敵な明日を。」
電話対応をしている紫耀さんは、
くだけた笑顔と緩やかな波長の声、
受話器を持ったまま
何度もお辞儀をしていた。
最後に添えられた、"素敵な明日を。"
という言葉は、
私が初めてここで
お花を購入していたときからの
決まり文句だったが、
そのセリフは、
希望が持てない明日に
踏み出すアシストだけでなく、
2歩目を進むまで寄り添ってくれる。
紫耀さんだからこそ、
電話越しでも繋げられる思いを知っていて
声でしか届けられない何かまで
気づいているような、
そんな一面を見て、
いつの日か紫耀さんが言った
"ずっと考えてくれるでしょ"
の意味がわかった気がした。
電話の対応を終え、
さっきまでの笑顔のまま
少しホッとした様子を見せる紫耀さんに
「あの、紫耀さん、」
と、変な裏返りをした声で
話しかけてしまった。
紫「あれ？Aちゃん」
「さっきは、ありがとうございました、
これ、紫耀さんの、ですよね？」
冬でもないのに震える両手で
黒のシャーペンを
そっと差し出した。
紫「あ！これ、！
もしかして、忘れちゃってた？」
「はい、」
紫「助かった！
わざわざありがとうね」
「渡せてよかったです！
今日は本当にありがとうございました」
紫「そんなに言われちゃうと
照れちゃう笑
最後までできた？」
「はい！おかげさまで、
じゃあ私、そろそろ帰りますね」
紫「よかったー！
そっか、大丈夫？
結構暗くなってきちゃってるけど」
「はい！いつもこの時間なので」
紫「え、いつも？
女の子なんだから
もっと早めに帰るんだよー？」
「はい、！
ありがとうございます」
紫「うん
じゃあ気をつけて！
素敵な明日を。」
「紫耀さんも、
素敵な明日を。」
私は、その言葉で手を振り合って
大好きな空間をあとにした。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
