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そろそろ夢から覚めないと。
でも、
もう一度だけ
私の先生になってくれないかな。
近づけば近づく分だけ
離れないように掴む強さは
大きくなってしまうから、
"恋"とは気づかないように
必死で誤魔化した。
この出会いと浮ついた感情は、
いつか誰かが作ったような
物語のシナリオでありますように。
全部、長い夢でありますように。
私は、オレンジジュースを一口、
口に含んで、
再びノートに向かった。
ほとんど紫耀さんが教えてくれたおかげで
残りは、30分かからないうちにできた。
だから次の教科を出そうと
数学のものを一式片付けると
私のものではない、
黒いシャーペンが転がってきた。
あ、これ紫耀さんのだ。
そうと気づいてからの私の行動は、
早送りしたように機械的で
自分でも驚いた。
筆記用具やノート、問題を
素早く片付け、
行き先のわからない
紫耀さんを追うために
反射的に立ち上がった。
少しオレンジジュースを
残してしまったことに
若干の罪悪感を感じながらも
お礼を言ってカフェを出た。
右に行くべきか、
左に行くべきか、
あたり見渡しても
手がかりをつかめないのは
既知の事実。
だから、
私が一歩を踏み出したのは
紫耀さんのいるお花屋さんだった。
もしいなかったら、
お店の人に預ければいいよね。
相変わらず、きれいな花が挨拶をしてくれる
素敵なお花屋さんの前で
大きく息を吸い
「あの、すみません、」
と声を出した。
お店の中に一歩踏み入れたけど
紫耀さんどころか、
店員さんの姿は見えなかった。
もしかして、また休業日だったのかと
怖くなって、
すぐに店をでて、看板を確認した。
『OPEN』
その文字を確認して、
またすぐお店を覗いた。
すると入り口付近にあった、
アレンジメントが自然に目にとまる。
ピンク系、イエロー系、ホワイト系…
色や意味毎に並べられた商品に
思わず目を奪われそうになっていたとき、
ここに来た本来の目的を思い出した。
私は、すぐに自分のペンケースから
紫耀さんのシャーペンを取り出して、
ぎゅっと握った。
会えるといいな、って。
直接渡したいなって。
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椿茜(プロフ) - 名前変換が出来ていないので、確認と訂正の方よろしくお願い致します。 (2021年3月3日 8時) (
レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
椿茜(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただいていたのですが、5月のページのところに出てくる奈々葉でしたっけ？誰ですか？ってなってしまいました。 (2021年3月3日 8時) (レス) id: ffddcc42e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嶺花 | 作成日時：2021年1月15日 20時
