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でも、
私はある場所に向かって歩きだしていた
とぼとぼ歩き、
やっとついた先は
紫耀くんの家だった、
何してるんだろ、
そう思ったけど、
紫耀くんのことが
どうしても心配だったらしい、
家の玄関の前で
座って紫耀くんの帰りを待つ
星がきれいに光りだしたけど
まだ紫耀くんはこない、
でもその優しい光のせいで
さらにぼーっとしていると
「なにしてんの、」
と言う声が聞こえてきた
「、、、、ごめん、」
うつむいたまま謝ることしかできない私を、
その声の主は抱きしめてくれた
「なにやってんの、
危ないでしょ、こんな夜遅く、
でも、ありがと、」
それは間違いなく紫耀くんの声だった、
明らかに震えている声は、
紫耀くんの心の中を
そのまま表していた
「彩ちゃんは、どう、？」
紫耀くんの頭が横に動くのを感じる、
紫「意識が、、
戻らないんだよ、」
同時に流れた涙を
その涙ごと、
今度は私が抱きしめる、
頼りないかもしれないけど、
精一杯のぎゅーをした
泣いたままの紫耀くん、
「大丈夫、大丈夫、」
繰り返す私の声と
背中をさする手。
いつの間にか
その手を握って、
紫「、いつも、
俺がいてほしいときにいてくれて、
ありがと、」
大きく頷く私、
紫「だからもう、、」
その言葉の続きを聞きたかった、
でも、
私に残された今日の時間は
それを許してくれなかった。
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作者名：嶺花 | 作成日時：2020年7月23日 11時
