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大「なんてね。」
まだ一緒にいたい?って言われて、うん。て答えようとしたら大貴くんに先越されちゃった。
大「Aさ、こんな遅い時間に男部屋に上げてるってことわかってる?」
「…………わかってる。」
大「だめだよ、彼氏でもないやつ簡単に上げちゃ。」
来ちゃった俺も俺だけど、って。
苦笑いしながら話を続ける。
大「裕翔とかも上げたりしてんの?」
「してないっ。」
大「男なんてさ、いつ狼になるかわかんねえんだから。もっと危機感持たないと。」
何にも言えなくて、ただ下唇を噛んで俯くことしか出来ない。
大「Aは、男を簡単に部屋に上げるような女になっちゃだめ。」
「大貴くんが初めてだもん、家来たの。」
大「だからさっ、」
「大貴くんだから上げたの。」
大「…………………。」
「大貴くんこと、好きだからっ。」
思わず言葉にしてしまった自分の気持ち。
恐る恐る大貴くんを見ると難しい顔してる。
あぁ、やっちゃった。
大「そっか…、ありがと。
けどごめん。
俺は、Aと今の関係のままでいたい。」
今の関係のまま。
それは、これ以上の関係にはなれないってこと。
大「Aのこと、普通に好きだよ。
好きなんだけど、そういう好きじゃないっつーか。」
私を見ないように、言葉を選びながら話してる。
わかってる。
恋愛対象として見られてなかったってことくらい。
なのに、勢いに任せて想いを口にしてしまった。
大「ごめん。」
「謝らないで。私こそごめん。何、言ってんだろ。」
大「俺の勝手だけど、Aとのこの距離感が好きなのね。だから出来れば今のままでいたい。」
「うん、わかった。」
気まずい空気にはしたくなくて、無理矢理笑顔を作って答えた。じゃなきゃ、泣いちゃいそうだから。
大「でも気持ちはすげー嬉しいから。ありがと。」
そう言って、玄関から出てった大貴くん。
途端に涙が溢れて来た。
振られるなんて分かってたこと。
ちょっとやそっとじゃ振り向かないよ、頑張った方がいいよって雄也くんに言われたばっかなのに。
何を言ってるんだ、私。
目の前の鏡に映る自分の姿。
耳にはさっき大貴くんが開けてくれたピアス。
それが余計に胸を締め付けた。
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はるな(プロフ) - 移行後も楽しみにまってます(*^^*) (2018年7月6日 16時) (レス) id: 44fd8f8597 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ともしゃんさん» なんと!泣いて下さっただなんて…。嬉しいお言葉。移行後もよろしくお願いします♪ (2018年7月5日 23時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - りぃさん» わー!キュンキュンして頂けてるんですね!!まだ続きますので、引き続きお読み頂けたら嬉しいです* (2018年7月5日 23時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 舞さん» そろそろ気づいてきましたかね!自分の気持ちに。大貴くんに嫉妬されたいなぁ。と妄想が止まりません!笑 (2018年7月5日 23時) (レス) id: 4a8aa9e558 (このIDを非表示/違反報告)
ともしゃん(プロフ) - もう泣いちゃいました!!更新楽しみにしてます!!頑張ってください!! (2018年6月29日 23時) (レス) id: c7f602a46b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ここ | 作成日時:2018年5月18日 17時