ハニーレモン・キス -Daiki.A-

08〈D〉 ページ8

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自分で言うのもなんだけど、これまでの人生そこそこモテてきた。
いいなって思う子とは大体両想いだったし。
高校に入ってすぐの時だって、一つ上の学年で結構人気のある先輩と付き合ったりもしてた。



でもね。
普段と何も変わらない日常の中で、君と出会ったんだ。
友達と楽しそう話してる笑顔がたまらなく可愛くて、釘付けになった。
一目惚れなんてした事なかったけど、一瞬にして恋に落ちた。




大「ひか、あの子知ってる？」


光「どれ？どの子？」


大「あそこのさ、右側にいる髪の毛下ろしてる子。」


光「知らねえな。どうした？」


大「……………すっげーかわいい。」




それから自然と目で追うようになって、担任のまっすーに名前を聞いた。
クラス違うし、共通点がないから話す機会が中々なくて。
今年同じクラスになれたらなって思ってたら、本当に同じクラスになれた。
これはもう仲良くなるしかないでしょ！って意気込んでたのに、気付けばひかと仲良さげに話してるし。




大「ひかのヤツ…。あーなんで俺、有岡なんだよ。」




1番窓側の列で話してる2人を見て、初めて自分の苗字が嫌になった。
それでも俺の事を知って貰いたくて、自己紹介の時にじっと見つめてみた。
委員会もまっすーのおかげで無事に一緒になれたし、幸先いいんじゃないの？




恵「あの子達と仲良くなったんだ？」


大「ん、まあ。」


恵「ふーん。そっか。」


大「なんだよ。」


恵「別にー。」




めぐは昔からそう。
俺が女子と仲良くしてると、ちょっとだけムスッとする。
何でなのかは知らないけど。
兄弟が取られるみたいで嫌なのかな。




大「そっちはどうよ。同じクラスだろ、王子と。」


恵「さすが学年一よ。女子達が凄い。でもね、案外普通の男の子だった。」


大「なんだそれ。笑」


恵「もっとナルシストで、嫌味ったらしいのかなとか思ってたけど、話してみたら全然そんな事なくて逆に拍子抜け。」


大「意外と好きになっちゃうかもよ？」


恵「……………………それはない。」


大「分かんねえじゃん。もう高2だよ？めぐもそろそろ彼氏作んねえと。」


恵「っ、うるさいなぁ。」




スタスタと歩いて行く後ろ姿。
なんだよ、不機嫌になっちゃってさ。
いつまでも幼馴染と一緒にいたら、彼氏なんて出来ねえぞ？

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