ハニーレモン・キス -Daiki.A-

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その日の帰り道。
学校を出て駅まで歩いている時に言われた。




大「ねえ、A。」


「ん？」


大「テスト終わったら出掛けない？」


「いいね！遥香と光くんも？」




立ち止まり、少しだけ黙った大貴くん。
振り返るとこっちをじっと見てた。



大「や、今回は2人で。」


「2人で…？」


大「遊園地も行ったしさ、2人じゃだめかな？やっぱあいつ等いた方がいい？」


「………………ううん。誘わなくて、いい。」


大「うん。へへ、じゃあ2人で。もちろん、4人でもまた出掛けよ。」




さっきまではもう少し間を空けながら歩いてたのに、いつの間にか近付いた距離。
無意識のうちに私が近付いてるのかな、大貴くんが近付いてきてるのかな。
それとも、お互いが距離を縮めてるのかな。
あと少しで手が触れてしまいそう。




「大貴くん、体育祭終わってから大忙しだね？」


大「俺？んな事ねえよ？」


「モテモテだもん。」


大「あー。…………別にモテてないし。」


「この前見たよ？告白されてるとこ。」


大「まじ？」


「遥香とたまたま通りかかってさ。1年の1番可愛い子って言ってたっけな。」




何を平然を装って話しているんだ、私。
本当はどんな返事したのか気になって仕方がないくせに。




大「あの子か。」


「………………付き合うの？」


大「え、付き合うと思うの？」


「そうじゃないけど！ほら、見かけちゃったし、さ？」


大「付き合うわけねえじゃん。初めて喋ったし。」


「そ、そっか！」




断ったって聞いて、内心すごく安心した。
付き合わないにしてもお友達からとか、保留中とかっていう可能性もあったわけだから。




大「なに、俺があの子と付き合っちゃったら嫌だった？」


「えーと。」


大「気になってたんでしょ？」


「それは！だから見かけたからで！」


大「なーんだ。嫉妬してくれてんのかと思った。笑」


「もう！」


大「てか、彼女居たら他の女の子と2人で勉強なんかしねえよ。」




それもそうかと思う。
みんなと仲良いし優しいけど、彼女の事はすっごく大事にしそうだもん。




大「それに。どんなに仲良くても、あんまり俺は女の子を自分から誘ったりしない、かな。」




だからね、こういうの期待しちゃうんだってば。
もしかしたら大貴くんもって。

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