ハニーレモン・キス -Daiki.A-

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大「行ける？」




今日からテスト期間。
先日約束した通り、2人で勉強するために図書室へ向かう。
中に入ると勉強している学生がチラホラ。
1番端の空いている机に向かい合わせで座った。




大「何からやる？俺、英語苦手なんだよね。」


「じゃあ英語から始めよ。」




問題を解いていると、向かい側では唇を尖らせながらうーん、と何やら悩んでいる様子。
すると、小さな声で名前を呼ばれた。




大「Aっ。」


「なに？」


大「これってさ、日本語で訳すとどういう意味？」


「これはね、」




静まり返っている図書室の中。
コソコソと話すように、自分のノートを見せながら大貴くんに説明する。




大「あー、なるほど。」


「大丈夫そ？」


大「ん。ありがと。」




またお互い問題を解き始める。
しばらくすると、今度は私のノートを大貴くんがシャーペンでコンコンと叩いたので顔を上げた。




大「ごめん。また聞いてもいい？」


「どれ？」


大「この訳って合ってる？単語の意味が分かんねえ。」


「この訳し方じゃなくて。こっちの意味で使うから、」




反対側からなるべく分かりやすいように説明する。
大貴くん、理解出来たかな。




大「ちょ、ごめん。この単語使えばいいの？」


「そうそう。えっとね、」


大「やっぱ反対向きだとやり辛いな。そっち行っていい？」




私の鞄が置いてある隣の席を指差した。
いいよとも、だめともまだ何も答えていないのに、向かい側からザッと教科書とノートがこちら側にやってきた。
そのすぐ後に席を立った大貴くんが隣に来るもんだから、慌てて鞄を退ける。




大「さっきのもう一回教えて貰ってい？」


「う、うん。これはね、、」




すぐ隣でうんうんと相槌を打ちながら聞いてる大貴くん。
思ったよりも距離が近くてドキドキしちゃうよ。
こんなの、私だけかもしれないけど。



テスト勉強は始まったばかり。
今日から1週間、これが続くなんて私の心臓は持つだろうか。
勉強よりもそっちの方が心配になってきた。

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