ハニーレモン・キス -Daiki.A-

19〈D〉 ページ19

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恵「クラスの子？」


大「ん。」


恵「…………そっかぁ。」




それから少しの間沈黙になる。
ムスっとしてるような、何処か寂しそうな顔。
好きな子がいるって黙ってたから？




恵「だからクラス替えの時、あんな嬉しそうだったんだ。」


大「あー、うん。そう。」


恵「言ってよねー！知らなかった！」


大「ごめん。言うタイミングなくて。」


恵「そうかー。大貴に好きな人ねー。」




めぐの笑った顔がぎこちない。
もう何年も一緒にいるからそれくらい分かる。
ついでに、それに触れられたくないって言うのも知ってる。
だから俺も敢えて普通にする。




恵「じゃあ、私のはいらないね？」


大「なんでそうなるんだよ。くれよ。」


恵「貰う側のくせに偉そう！」




はい、と渡されたプレゼント。
毎年お互いリクエストして、自分の欲しい物を貰う事になってる。
今年はヘッドホンを貰った。




恵「大事に使ってよ？大貴雑だからなぁ。」


大「んな事ないわ！ありがとな。」


恵「どういたしまして。」




じゃあ帰るね、と部屋を出て行った。
いつものめぐに戻ったっちゃ戻ったけど、なんとなく違うよな。
やっぱ言わない方が良かったかな。



スマホに目を向けると、いくつかのお祝いメッセージが届いている。
トーク画面の中で目に入る1人の名前。
連絡先交換出来たって事が嬉しくて、顔がニヤける。




大「送ってみよっかな。」




でも、何て送ったらいいんだ。
悩みに悩んで、今日のお礼を伝える事にした。




大貴：誕生日祝ってくれてありがとうね。大切に食べます！あと、連絡先もありがとう！




送るとすぐに付いた既読。
やべー、それだけで嬉しい。
そして返信が返ってきた。




A：今日はケーキ食べるのかな？お菓子なんかで本当ごめんね！こちらこそ、連絡先ありがとう♪




しばらく続いたメッセージ。
通知が来るたびにドキドキして、ワクワクして。
好きな気持ちがどんどん加速していく。

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