ハニーレモン・キス -Daiki.A-

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どうしよう。
有岡くんの好きな物とか、全然分からないし。
何あげたら喜ぶんだろう。




大「あ！ねえ、欲しいもの思いついた！」


「なになに？」


大「絶対断らないでよ？」


「そ、れは。値段とかにもよるけど。」


大「大丈夫。」




大丈夫って言うけど何が欲しいの？
にっこり笑った有岡くんから、予想に反する物を告げられた。




大「もっちーの連絡先を下さい。」


「え！？」


大「プレゼント、くれるんでしょ？」


「そうだけど、」


大「先に言っとくけど、断る権利はないからな。」




もちろん断る事なんてしないけど。
私の連絡先を下さいって。
そんなの、プレゼントでも何でもないじゃない。




大「はい、携帯出してー。」


「え？え？待って！」


大「なんだよー。やだ？」


「そうじゃなくて！もっと他に欲しい物とか、」


大「だからー、俺が1番欲しい物なんだって。」




なんで？どうして？
こんなのおかしい。
想像してたのと違う。




大「完了です。」




私のスマホの画面に自分のIDを打ち込んで、連絡先に追加された状態で手元に返ってきた。




大「今、俺に送ってみてくんない？」




新しい友達の所に追加された、大貴の文字。
そこをタップしてトーク画面を開いた。
目の前にいる人にメッセージ送るって変な感じ。
あ、そうだ。




「送ったよ。」


大「来た！ん？へへ、ありがと。」




私から有岡くんに送った初めてのメッセージは、お誕生日おめでとうの言葉。
本当にこれだけでいいのかな。
でも、嬉しいな。




大「帰ろっか。」


「うん。」




夕日が指している廊下には、2つの影。
隣を歩くあなたに私、ドキドキしてる。
これって何なんだろう。






まさか、恋の始まりだったりして。

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