ハニーレモン・キス -Daiki.A-

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近くのカフェに入って、ちょっと遅めのお昼ご飯。
口いっぱいにして、美味しそうに食べてる姿が可愛い。
思わず笑みが溢れる。




大「なんだよ、ジロジロ見んなよ。」


「美味しそうに食べるなーって。」


大「一口食べる？」




一口分を乗せたスプーンを差し出される。
どうすればいいの、これ。
食べさせて貰うのはさすがに無理なので、スプーンを受け取る。




「美味しい！」


大「だろ？ね、そっちもちょーだい。」


「うん、待ってね。」




一口分をスプーンに乗せて、そのまま返そうと思ったのに。
顔を上げると口を開いて待ってる大貴くん。




「え？」


大「ん、ほら早く。」




どうやらスプーンを受け取ってくれる気はないみたい。
恥ずかしい、恥ずかしすぎるけど仕方ない。
意を決して大貴くんの口にスプーンを運んだ。




大「うんまぁー。」


「良かった。」


大「ちょーっと恥ずかしかったね？」


「ちょっとじゃないよ、」




目の前の大貴くんは何だか楽しそう。
恥ずかしいけど、好きな人とのこんな時間も悪くない。
もしかして、大貴くんって彼女に甘えるタイプなのかも。



ご飯を食べた後は、プラプラ歩きながらお店を見て回る。
可愛い雑貨屋さんを見つけて今度遥香と来た時に行こうかな、って思ってたら入る？って。




「興味ないでしょ？」


大「もちろん。Aの好きな物知りたいし。」




今日の大貴くんは何だかおかしい。
学校いる時とは違う。
私に甘いっていうか、いつも以上に優しいの。



お店の中に入ってからも、ずっと付いてきてくれて。
気になった物を手に取ると「かわいいじゃん。」とか、「そういうのが好きなんだ。」とか後ろから話しかけてくれる。
ただ通路が狭いからなのかその距離が近くて、ドキドキが止まらない。




大「買わなくて良かったの？」


「もうちょっと悩む。どうしても欲しくなったらまた来るよ。」


大「そだね。また来よ。」


「一緒に来てくれるの？」




何言ってんの、当然でしょって顔。
その時はまた2人で、だといいな。




「大貴くんが行くお店も行こ。」


大「メンズのブランドだし、それこそ興味ないと思うけど。」


「私も大貴くんの好きな物知りたい、な？」




教えてほしい。
何が好きなのか、どんな服着るのか。
大貴くんの事、もっと知りたい。

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