ハニーレモン・キス -Daiki.A-

28〈D〉 ページ28

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ノリでお化け屋敷入ろうってなったけど、明らかに口数が少なくなったA。
怖がってるし、やっちゃったかな。




大「嫌じゃなかったら、俺に掴まっていいからね。」




言葉を発さず、首を縦に振った。
しばらく進むと腕を掴まれる。
離そうとする腕を掴んで、そっと手を握ってみた。
こんな時にずるいなんて重々承知。


その時、俺たちの後ろを歩いてたひかが近くまで来て耳元でこう言った。




光「俺たち出るから、後は2人で仲良くね。」


大「は？」


光「ヘマすんなよ。」




Aに気付かれないように途中退出の方へ向かう2人。
俺も気付かせないように手を握って前に進む。
その後も怖さから繋いでる手をぎゅっと握ってきたり、大貴くんって呼ばれたり。
可愛すぎてもうどうにかなりそう。




大「あそこ出口！A走れる？」


「大貴くん引っ張って、」


大「行くよ？」




もう一度手をしっかり握り直して、全速力で走った。
外に出るとポロポロと涙を流すA。
いや、だから可愛すぎるんだって。
手はまだ繋がったまま。



遥香に言われるがままに、ひかとジュースを買いに来た。
俺と同じってさ。
君は一体どこまで俺を虜にするんだよ。




光「で、どうだった？ちゃっかり手繋いでましたけど。」


大「可愛すぎた。頼られてる感じがもう。」


光「はい、有岡キモいー。」



4人分のジュースを買って、ベンチまで戻るとすっかり笑顔に戻ってて安心した。
泣き顔も可愛いけど、やっぱ笑った顔が1番。




大「俺と同じのって言うからコーラにしちゃったけど、大丈夫だった？」


「うん！ありがとう！お金、」


大「いいって。お化け屋敷頑張ったご褒美です。」




そう言うと、少し恥ずかしそうに小さな声でありがとうっと言った。
なんだ、なんだ。
これちょっと良い感じなんじゃねえの？




光「さ！休憩もした事だしどんどん行くぞー！」


遥「八乙女、張り切りすぎ。」


光「だってまだ乗らなきゃいけないの残ってんだもん。」




俺的にはこっちの2人も良いコンビだし、お似合いなんじゃないかって密かに思ってるんだけど。
ひかはどう思ってんのかな。

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