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昨日の事もあったから緋山先生は復帰を反対しているのだろう。
けど藍沢先生本人は復帰を望んでいる。
そう伝えたら緋山先生は渋々だけど納得してくれて……
今更だけど、緋山先生が言うことにだって一理ある。
藍沢先生は復帰を望んでいるけど症状が改善した訳ではないから、またいつ前みたいに酷い症状を頻繁に発症してもおかしくない。
注意してみておかないと、藍沢先生は仕事に復帰したとなれば、きっとまた前みたいに頼ってはくれなくなる。
明日を退院に控えた藍沢先生はいつもより早めに眠りについた。
冴島「藍沢先生、よく見ておかないといけませんね」
そう私の心を見透かしたように話しかけてきた冴島さんに「うん」とだけ返して私たちは藍沢先生の病室を後にした。
ーーー
翌日
白石「今日のヘリ担は緋山先生と、名取先生、雪村さん。当直は私と灰谷先生と冴島さんね……ロれから…最後にもう一つ。今日から午前中だけだけど藍沢先生が復帰します」
そう言うとフェローたちはすごく喜んでくれて藍沢先生も少し照れくさそうに口角を上げていた。
そんな光景を見ていると自然に藍沢先生の復帰、大丈夫そうだなって思えてくる。
みんなに囲まれて話している藍沢先生の表情はこれまでの一番の笑顔だった。
数週間後
白石「藍沢先生!大丈夫?」
緋山「名取!ボーっとしてないでそこのソファー片付けて!横峯!灰谷!藤川と冴島呼んできて!」
「「「はい!」」」
白石「大丈夫だから。ゆっくり呼吸して……」
緋山「目、覆うわよ」
藍沢先生が仕事に復帰してから数週間経った。
未だに、稀だけどパニック発作を起こすことがある。
本当に稀にだけどその稀に起こる発作は結構ひどくて……
本人によると、特にひどいのは眩暈と吐き気、動悸だという。
発作を起こした時の藍沢先生は本当に苦しそうで復帰はもう少し待った方が良かったんじゃないかとも思う。
けど、藍沢先生が発作を起こすと救命のみんなが一丸となって看病する。
そんな姿を見ると本当に愛されてるし、慕われているなと感じる。
まだ完全に治ったわけじゃないし、今もパニック障害と戦い続ける藍沢先生だけど一人じゃないから。
藍沢先生の周りには常に仲間がいる。
そう藍沢先生が気づいてくれたらきっとどんな大きな壁だって乗り越えられる。
そう思いながら仕事と向き合う藍沢先生の背中を見つめた。
END
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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