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名取side
現場に着くとたくさん人だかりが出来ていた。
その人混みに走っていく藍沢先生。
俺も慌てて後ろから着いていき人混みをかき分けながら進んでその輪の中心にいたのは血色のない顔で力なく横たわっている男性だった。
名前は秋本二郎さんというらしい。
人に囲まれながらその場でできる限りの処置を施し藍沢先生と雪村さんと共にヘリに患者を運び込んだ。
藍沢「Afがある…脳梗塞かもしれない…」
白石≪頭部MRI準備しとく≫
藍沢「頼む」
ヘリの無線で藍沢先生と白石先生のそんな会話が行われた。
翔北に到着するまであと13分。
急変とかしないといいな…なんて考えていると足元の患者(秋本)さんがウッとうめいた。
藍沢「嘔吐するかもしれない」
藍沢先生がそう言ったため俺も藍沢先生を真似てシートベルトを外し患者さんの体を横に向けた。
その直後患者さんが嘔吐しその吐瀉物が藍沢先生の足元に飛び散った。
名取「誤嚥(ごえん)するとマズイですね…挿管します」
藍沢「あぁ」
そう藍沢先生が反応すると雪村さんは患者さんの口元を拭いた。
その後、喉頭鏡(こうとうきょう)を渡され俺は挿管の処置を始めた……がヘリでの処置の経験はまだ少ないため、いざ処置を行うとなるととても手際が悪い。
冷汗をかきながらも挿管を終えると「カフ、固定してくれ」藍沢先生からそう指示が出たため「はい」と返事をして動こうとしたらさっきまで忙しく動いていた藍沢先生の手が止まった。
名取「藍沢…先生?」
そう訪ねても返事はなくて俺が藍沢先生の異変に本格的に気づいた時には藍沢先生は呼吸困難に陥っていて苦しそうに顔を歪めている。
名取「……ぇ…」
俺が思わずそう口に出した時には藍沢先生は意識を失ってしまっていた。
名取「藍沢先生!」
すでに意識のない藍沢先生にそう声をかけると雪村さんまで「うっ」とえずき始め倒れてきた藍沢先生の体を支えながらチラッと様子を見ると青白い顔で口元を覆っている。
どういうことだ……!?
焦りすぎてうまく回らない頭で必死に考える。
その瞬間俺まで激しい眩暈に襲われた。
名取「何…なんで…?」
混乱した頭で必死に答えを探していると藍沢先生の足元にかかった吐瀉物をみてハッとした。
俺の中で一つ思い浮かんだ答え……
それは………『毒物』
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明日香 - RULIさん» コメントありがとうございます!更新が中々出来ず、その上長くなってしまい申し訳ないです。ただてさえ長いのにまだ長くなりそうですが頑張って書いていきますので引き続きご愛読頂けると嬉しいです。 (2019年8月2日 7時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
RULI - リクエスト、受け取って下さり、ありがとうございます、とても面白いです!流石だなと、おもいました!頑張って下さい! (2019年8月1日 20時) (レス) id: 8fa7ebfbfe (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ハートさん» コメントありがとうございます。読者の皆さんの応援が励みになっています。これからもゆっくりかもしれませんが更新頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年7月24日 18時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
ハート - 最新頑張ってください。応援しております (2019年7月24日 13時) (レス) id: f31ae08eec (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - ぱやさん» コメントありがとうございます。学生のため平日は忙しく中々更新が出来ないのですが主に土日や長期休みは頑張って更新したいと思っています。更新速度が遅いですが暖かく見守って応援して下さると嬉しいです! (2019年7月12日 22時) (レス) id: 9194933e72 (このIDを非表示/違反報告)
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